突然、WinSCP で作業する必要が出てきて、使い方が分からずに困っていませんか?
WinSCP は上司に急に使えと言われたりして、使い方に困ったという方も多いのですが、これを見れば、WinSCP の使い方が全て分かります。
分かりやすく書いたマニュアルですので、ぜひ参考にしてみてください。
では順番に説明しますので、早速はじめましょう。
※本記事は、古いバージョン(WinSCP 5.1)を使い続けている方向けの記事です。
新しいバージョン(WinSCP 5.5)の使い方は、別記事の「WinSCP 5.5 の使い方:初心者でもスムーズに扱うための徹底マニュアル」で詳しく説明しているので参考にしてください。
目次
1. WinSCPを起動する
インストールが完了したらスタートボタンからWinSCPを起動します。
見つからない時は、検索窓に「WinSCP」と入力すると出てきます。

起動すると、ログイン画面が立ち上がります。
2. WinSCPにログインする
必要項目を入力する
WinSCPにログインするためには、赤枠で囲った2つの部分に情報を入力する必要があります。

① ファイルプロトコル(FTP/SFTP/SCPから選択)
FTP/SFTP/SCPは通信プロトコルといい、接続しようとしているサーバーの仕様によって変わってきます。
分からない場合や、仕事を引き継がれた場合は、サーバー管理者に 、FTP、SFTP、SCPのどれで接続すれば良いかを聞いて確認しましょう。
② ホスト名、ポート番号、ユーザ名、パスワード
◆ホスト名
…サーバーのURLと同一のものを入力することが多いです。わからない場合、サーバー管理者に聞いてください。
※ホスト名とは127.0.0.1のようなIPアドレスであったり、 www.example.comのようなドメインです。
◆ポート番号
…初期設定の状態ではFTPは21番、SFTP/SCPは22番ですが、変更されている場合も多いので、サーバー管理者に聞いてみましょう。
◆ユーザー名
…サーバーに作成しているユーザー名です。どのユーザーでログインするのか、サーバー管理者に聞いてください。
※サーバーが初期状態の場合、セキュリティ的には良くないですが、「root」がユーザー名になることが多いです。
◆パスワード
…作成したユーザーに対応するパスワードを入れます。こちらもユーザー名と一緒にサーバー管理者に聞いてみましょう。
ただ、「秘密鍵」というものがある場合は、パスワードは不要なので、 サーバー管理者に認証方法が鍵認証なのかパスワード認証なのかを聞いてみましょう。
≪パスワード認証の場合≫
…秘密鍵は不要です。 パスワードを教えてもらい入力しましょう。
≪鍵認証の場合≫
…パスワードは不要です。秘密鍵をもらいましょう。
また、秘密鍵に はパスフレーズ(秘密鍵のパスワード)も設定されている場合がある ので設定されているかサーバー管理者に確認しましょう。
※秘密鍵でのログイン方法は別記事で詳しく説明しているので 「WinSCPの秘密鍵の疑問をすべて解決:秘密鍵とは?/鍵の作り方」 の 「4.秘密鍵の使い方」 を参考にしてください。
≪「新しく設定するから作って」と言われてしまった場合≫
…秘密鍵の作り方は、別記事の 「WinSCPの秘密鍵の疑問をすべて解決:秘密鍵とは?/鍵の作り方」 の 「2.秘密鍵の作り方」 で詳しく説明しているので、参考にしてください。
※以前に、上記の必要項目を入力されたことがある方は、こちらの画面が開きます。
この場合は、必要項目の入力は不要です。
この画面が出てきた場合、ログインしたいサーバーを選択して「ログイン」をクリックしてください。
もし、まだ接続したことのないサーバーにログインしたい場合は、「新規」をクリックして、上記の必要項目の入力を行ってください。
必要項目を入力したらログイン情報を保存しておく
ログイン情報を「保存」しておくと、今後同じサーバーに接続するときに、都度情報を入力しなくてよいので楽になります。
まず、「保存(s)」ボタンをクリックします。

次に、保存したい名前を入力します。
名前は変えなくても、自分なりに名前を付けなおしても構いません。後で見てわかればOKで す。
ここでは仮に「example」とします。そして、「OK」をクリックし、保存します。

※補足:パスワードは、セキュリティ向上のために保存せず、接続の都度入力することをオススメします。
ただ、複数のサイトを管理していて、複数のパスワードを覚えておくのが大変な場合は、ここでパスワードを保存し、マスターパスワードの設定をすると、どのセッションでもマスターパスワードを入力するだけでサーバーに接続できます。
マスターパスワードの設定方法は別記事の「WinSCPの設定:自分用に使いやすくカスタマイズするための全方法」の「14. マスターパスワードの設定」で詳しく説明しているので参考にしてください。
これで初期設定は終了です。
これで次回からパスワードを入力するだけで、ログインできます。
3. WinSCPに接続する
では実際に接続してみましょう。
さっき保存した「example」が表示されますのでダブルクリックします。

サーバーのホスト鍵がWinSCPに未登録の場合、この画面が表示されます。接続するサーバーに間違いがないことを確認し、「はい」をクリックします。
※サーバーのホスト鍵の仕組みについて詳しく知りたい場合、「sshの仕組み」で詳しく書かれているので、参考にしてみてください。

すると、パスワードを求められるので入力し、「OK」をクリックしましょう。

以上で、サーバーに接続することができます。
4. WinSCPの画面の見方
接続すると、以下のような画面が立ち上がります。

左が手元のPC、右がサーバーです。
その上の、青い四角で囲っている部分に、今表示されているフォルダの場所が表示されています。
アップロード先のフォルダや、アップロードしたいファイルが、ほかのフォルダに格納されている場合は、青い四角で囲った部分をダブルクリックして、「参照」からお目当てのフォルダやファイルを探して選択しましょう。
5. WinSCPで出来ることとやり方
WinSCPでできることは4つです。
- 手元のPCとサーバー間でファイルを「コピー」する
- 手元のPCとサーバー間でファイルを「移動」する
- PC、サーバーのファイルを「削除」する
- PC、サーバーのファイルを「編集」する
簡潔にお伝えすると、WinSCPを使うことで、サーバーのファイル(右側)を自由自在にいじることができます。 ではひとつずつご説明しましょう。
手元のPCからサーバーへのファイルコピー
操作はとても簡単で、操作したいファイルをドラッグアンドドロップするだけです。
例としてlocal-example-file1を手元のPCからサーバーにコピーしてみます。
まず、左の枠から転送したいファイルをドラッグし、右の枠で離します。

そして、「コピー」をクリックします。

すると自動的にコピーしたlocal-example-file1が右枠リストに追加されます。

その逆も同様で、サーバー上のファイルを、あなたのPC上にコピーすることもできます。
またファイルは複数選択でき、フォルダもファイル同様に扱えます。サーバーからPCへファイルをコピーすることでサーバーのバックアップを行うことも可能です。
手元のPCからサーバーへのファイル移動
「コピー」だとコピー元のファイルが残りますが、「移動」はコピー元のファイルが残りません。
それでは、方法をお伝えします。
まず、移動したいファイル(local-example-file1)を選択し、「F6 移動」をクリックします 。

次に、「移動」をクリックします。

すると、手元のPCにはファイルが残らず、サーバーに移動できました!

ファイルの削除
消したいファイルを右クリックし、「削除」を選択します。

次に、「OK」を選択すると削除されます。

※一度削除したファイルは二度と復元できませんので十分注意してください。
ファイルを編集する
編集したいファイルをダブルクリックし、編集する。

編集後に、「保存」をクリックするとファイルが更新されます。

6. WinSCPを終了する
作業が終わったらそのまま画面右上の「×」で閉じます。

「OK」を選びます。 これで、切断されWinSCPが終了されます。

7. WinSCPで良くある4つのエラー
① 接続に失敗する

ユーザ名、パスワードを間違えていませんか?
- 大文字小文字は区別されます。
- 半角英数字で入力する必要があります。
- 前後にスペースなどの余計な文字列が入ってはいけません。
②ホストが存在しないと表示される

ホスト名を間違えていませんか?
③リモートへのファイルのコピーに失敗と表示される

サーバー側の権限があなたに与えられていない可能性がありますので、サーバー管理者に権限を修正してもらってください。
④ディレクトリへの移動のエラーと表示される

サーバー側の権限があなたに与えられていない可能性がありますので、サーバー管理者に権限を修正してもらってください。
英語が得意な方はWinSCP.net(英語サイト)にエラー例がまとまっています。
まとめ
ここでは、基本のWinSCPの使い方をご紹介しました。
WinSCPは、基本さえ身につけてしまえば、サイトのアップロードが格段に楽になるし、効率的にサイト運営が行えるようになります。
サイト運営をしている方は、ファイルのアップロードは日常的に行っているはずなので、少しの効率化が最終的に大きな効率化につながることになります。
ぜひこのページを参考にして、あなた自身で実際の作業をひとつひとつ進めていただけると幸いです。