「お腹が痛くて、吐きそう…」
「下痢が止まらなくて、トイレから出られない…」

突然、胃腸の調子が悪くなり、どうすれば良いのかわからずに戸惑っていませんか?冬の季節に吐き気や下痢があるとすれば、ノロウイルスの可能性があります。

この記事では、

  • ノロウイルスの症状
  • 病院に行く判断基準
  • 正しい対処法

…これらをご紹介します。

風邪をはじめ体調を崩しやすい時期です。症状から正しく判断して、適切な対処をしましょう。

1.ノロウイルスとは

1-1.ノロウイルスの特徴

ノロウイルスとは、吐き気やおう吐、下痢といった胃腸炎の症状を引き起こす、ウイルス感染症です

  • 11~2 月にかけて流行する
  • 食べ物から人、人から人といった経路で感染する
  • 感染力が強く、1 シーズンに複数回かかることも
  • おう吐や下痢などの重い症状が出る

…といった特徴があります。

感染に至るまでのルートは、カキなど汚染された食品が原因となる「食中毒」と、感染者の吐物や便に含まれるウイルスが原因となる「二次感染」に分けられます。

冬に発生する感染性胃腸炎の約 9 割はノロウイルスが原因だと推測されるほど、毎年の流行を繰り返しています。

ノロウイルスの感染経路については、「ノロウイルスの感染経路|すぐできる4つの対策とおすすめ消毒グッズ」の記事も参考にしてみてください。

1-2.ノロウイルスの見分け方

同じ季節に流行している風邪やインフルエンザと見分ける目安として、以下のチェックリストを参考にしてください。

ノロウイルスのセルフチェック

□ 季節は秋から冬である
□ 高熱はない
□ 吐き気、またはおう吐がある
□ ひどい腹痛があり、お腹が下っている
□ 喉の痛みはなく、咳は出ない
□ 悪寒はない
□ 鼻づまりや鼻水など、鼻炎の症状はない

当てはまる項目が多いほど、ノロウイルスの可能性が高いです。

4~5 歳くらいまでのお子さんの場合は、上記のほかに、

  • 機嫌が悪い
  • 食欲がない
  • 下痢便とおう吐が共にある

…といった様子にも注意しましょう。

2.ノロウイルスの症状と対処法

ここからはノロウイルスの、「主な症状の特徴」と「療養のポイント」について、ご紹介します。

2-1.ノロウイルスの主な症状

ノロウイルスの代表的な症状は、

  • 吐き気おう吐
  • 下痢
  • 腹痛

…の 3 つです。

大人は 3 日以内に回復しますが、体力のない子どもや高齢者は 1 週間以上に及ぶこともあります。

ノロウイルス,症状  発熱することもある  

消化器症状のほかにも、発熱や頭痛などの風邪のような症状が出たり、または胃腸炎らしい様子がないまま、微熱のみが続くこともある。

◆ 吐き気・おう吐

症状のなかでも、目立って現れるのが吐き気とおう吐です。

特徴として、

  • 突然、ムカムカとした吐き気がこみ上げてくる
  • 我慢できず、吐いてしまう
  • 子どもや高齢者では特に多い

…といったことが挙げられます。

何も前触れがないまま突発的に起こるため、大人でもトイレに行く前に吐いてしまうことがあるほどです。

おう吐の回数は一度きりで済む場合もあれば、何度も繰り返される場合もあります。

ノロウイルス,症状  かかる人、かからない人の違い

感染しても発病しない人がいる。人によって流行ウイルスの型が腸内細胞に合わず、体内でノロウイルスが増殖しないことが主な要因。

◆ 下痢

吐き気やおう吐と共に現れやすいのが、下痢です。

最も症状が激しく出ているときには、

  • 数分おきに便意を感じることがある
  • トイレから一歩も離れられない

…といった状態になることも。強く現れやすいのは子どもより大人です。

おう吐よりも先に下痢の場合もあれば、吐き気やおう吐は全くないのに、下痢だけが継続する場合もあります。

◆ 腹痛

ノロウイルスによって腸に炎症が起こるため、腹痛が生じます。

その特徴は、

  • 胃の辺りをシクシクと刺すような痛み
  • ギューっと締め付けられるような痛み
  • 不定期に、ザワザワと波のように襲ってくる痛み

…と表現されることが多いです。

また、人によっては「これまで体験したことがないくらい」と言い表すほど、腹痛は激しいものとなりやすいです。

2-2.早く治すための4つのポイント

ノロウイルスは激しい症状が出るため、しばらくは通常の生活を送ることができず、自宅療養となります。

すでに症状が出ているときは、

  • トイレを我慢せずに出し切る
  • 吐き気に合わせて水分を摂る
  • 食欲が戻ってから柔らかいものを食べる
  • 安静に過ごす

…といったことを心がけて過ごしましょう。

◆ トイレを我慢しない

ノロウイルスで最も重要なのは、トイレを我慢しないことです。

特に下痢の症状が強いときの対処法として、

  • 下痢止め薬は服用しない
  • 少しでも便意を感じたらすぐにトイレに行く

…これらの点を意識してください。

下痢の回数には個人差がありますが、多い場合だと 1 日に 10 回以上繰り返すこともあります。

ただしこれはウイルスが排出されている証なので、しっかりと『出し切る』ことが大切です。

ノロウイルス,症状  整腸薬がおすすめ

薬で対処する場合は、お腹の調子を整える働きがある『整腸薬』が良い。

【おすすめ市販薬】
新ビオフェルミン S 錠(ビオフェルミン製薬)
・新ラクトーン A(アサヒグループ食品)

◆ 吐き気に合わせて水分補給

ノロウイルスでは、高い確率でおう吐が起こります。ひどいときは、コップ 1 杯の水を飲んだだけで吐き出してしまうケースも。

療養中の水分補給では、

  • 吐き気が落ち着くまでは水分を控える
  • 吐き気が落ち着いてきたら、一口づつ飲む

…といったことを、心がけてください。

飲み物は経口補水液、またはスポーツドリンクを水で 3 倍に薄めたものを、少しずつ飲むのがポイントです。

ノロウイルス,症状  おう吐の回数は、少ないほど良い

下痢とは違い、おう吐の症状は消化器への負担が大きい。何度も吐くと、脱水状態のときよりも体力の消耗が激しい。脱水予防に水分を摂っても、おう吐するとかえって失う水分が多くなるため注意。

◆ 食欲が戻ってから流動食

ノロウイルスを発症すると、丸一日は何も食べられない状態になりやすいです。

そのため食事面では、

  • 無理に栄養を摂ろうとはしない
  • 食べるタイミングは吐き気がなくなってから
  • 固形物は避け、柔らかく温かい食べ物を選ぶ

…これらを意識してください。

特におう吐があるときは、胃腸がとても弱っています。「自然な食欲」が戻るまでは絶食して、胃腸を休めることを優先してください

食事を再開する際は、すぐに普段通りのメニューにするのではなく、おかゆや味噌汁などから徐々に通常食に戻すようにしましょう。

◆ 安静にして過ごす

ノロウイルスで現れる吐き気やおう吐、下痢といった症状は、安静にすることで多少和らぐことがあります

  • カーテンを閉めて、寝室を暗くする
  • 体への締め付けが少ない服を着る
  • お腹を丸めた体勢をとる

…といった方法を試してみてください。

安静にすることで体力の消耗を防ぎ、早い回復に役立ちます。

3.病院に行ったほうが良いケース

ノロウイルスには、これといった特効薬はありません。そのため、安静にして適切な栄養補給を行えば、基本的には自然治癒します

ただし、

  • 1 日 10 回以上の下痢がある
  • おう吐が治まらない
  • 我慢できないほどの腹痛がある
  • 38 ℃以上の発熱がある

…といった場合は、重症化しているおそれがあるため病院に行くことをおすすめします。

ノロウイルスの疑いで病院に行く場合

【診療科】
内科もしくは消化器科(子どもは小児科)

【処方薬】
吐き気を止める薬、整腸薬、抗菌薬など

【診療費】
検査を行わなければ 3,000 円ほど(3 割負担)

※ 検査は、3 歳未満と 65 歳以上のみ健康保険が適用されるが、原因ウイルスの特定に大きな意義がないため、集団感染以外ではあまり行われない。

4.感染を広げないためには

ノロウイルスは食べ物からだけでなく、人から人へ感染するケースが多いです。

もしかかってしまったときは、

  • 感染を広げないための予防行動
  • 出勤や登校のタイミング

…といった点を意識してください。

◆ 感染拡大を防ぐ行動

ノロウイルスは、感染者の吐物や便に含まれます。そのため、汚物処理時や共用のトイレでうつることが多いです。

すでに感染している方は、次のような行動を心がけてください。

  • 食品の扱いや調理は、一切行わない
  • 常にマスクを着用し、手洗いとうがいを徹底する
  • 身の回りのものを消毒する
  • 自分が使った後のトイレを掃除する
  • 汚物は消毒液を用いて正しく処理する

特に吐物の処理は少し方法を誤るだけで、ウイルスの感染力が長期に渡るおそれがあります。

自身が吐いてしまったときだけでなく、ご家族が吐いてしまい自分が処理しなくてはならない状況においても、要注意です。

◆ 出勤や登校の目安

出勤や登校の目安は、下痢やおう吐の症状がなくなってから 3 日後です。タイミングがわからない場合は、最後のおう吐から最低でも 2 日間は休むと良いでしょう。

ただし、しばらくの期間は便からウイルスを排出し続けるため、復帰後も先にご紹介した対策が必須です。

5.まとめ

ノロウイルスの症状についてまとめました。

ノロウイルスの症状の特徴
  • ひどい吐き気と激しい腹痛がある
  • 我慢できず、おう吐することが多い
  • 下痢になる
  • 発熱することもある

早く治すためのポイント
  • トイレを我慢せずに出し切る
  • 吐き気に合わせて水分を摂る
  • 食欲が戻ってから柔らかいものを食べる
  • 安静にして過ごす

もしもご自身やご家族が発症したときには正しい知識と心がけで、少しでも早くお腹の調子を取り戻してください。

◆ 参考文献