「急に吐き気がする…」
「我慢できなくて吐いてしまいそう…」

…といった急な気持ち悪さ。こうした吐き気は、冬に流行するノロウイルスの代表的な症状です。

ただし、吐き気は対処法を間違えると症状が余計に悪化することもあります。

この記事では、

  • 吐き気があるときの対処法
  • 効果的な飲み物と食べ物
  • 吐き気が治まらないときにすべきこと

…をご紹介します。正しく対処して吐き気を和らげ、体調の早期回復に役立ててください。

吐き気と共に現れやすい下痢の対処法は「ノロウイルスの繰り返す下痢|お腹の波を落ち着かせる5つの対処法」の記事で、ご紹介しています。

1.ノロウイルスの特徴

ノロウイルスは、急性の胃腸炎を引き起こす感染症です。特徴として、

・11~2 月に流行する
・感染源は食べ物から、または感染者から
・ウイルス型が複数あるため、同じ人が何度もかかる

…といった点が挙げられます。

実際の感染例で多いのは、人から人です。例えば、感染者が人前で吐いた場合、ウイルスが飛び散り、近くに居た人たちにうつることがあります。

今回取り上げる吐き気は、ノロウイルスの代表的な症状です。

ノロウイルスの症状

・主な症状
…吐き気、おう吐、腹痛、下痢
…発熱や頭痛など風邪と似た症状が出ることもある

・初期に現れる症状
…みぞおちから胸にかけてのむかつき
…チクチクと刺すような腹部の痛み
…予兆なく起こるおう吐

ノロウイルスの症状についてさらに詳しく知りたい方は、「ノロウイルスの症状|7つのセルフチェックとすばやく治すベストケア」の記事も、ぜひ読んでみてください。

2.ノロウイルスで起こる吐き気

ノロウイルスでは、こみ上げるような吐き気が突然起こり、大人でも我慢しきれずおう吐してしまうのが特徴です。

ここからは、ノロウイルスで起こる吐き気の、

…をご紹介します。

2-1.吐き気の経過と治療法

最初のおう吐からしばらくは、吐き気が強く現れやすいです。

そのときの対処法として、

・慌てて病院に行く必要はない
・初期段階で吐き気止めは飲まない
・おう吐が治まるまでは、飲食を控える

…を意識してください。

ノロウイルスには特別な治療法がないため、必ずしも病院に行く必要はありません。無理な外出はかえって症状の悪化となりやすいため、まずは体調が落ち着くのを待ちましょう。

また、最初のおう吐から間もないうちに吐き気止めの薬を服用すると、

「吐きたいのに吐けない」
「かえって苦しい」

…といった状態になりやすいので注意してください。

ノロウイルス,吐き気  おう吐が長引いていれば、薬を用いる

病院で処方される吐き気止めは、内服薬または座薬。ただし同じ成分の薬は市販されていないため、症状が重いときは必ず受診すること。

2-2.吐き気を和らげる対処法

次に、吐き気を和らげる自宅での過ごし方のポイントを 3 つ、ご紹介します。

◆ 体勢を工夫する

吐き気があるときは、安静に過ごしてください

その際、休むときの体勢として、

・背中を丸める
・背中にクッションや布団を入れ、角度を付ける

…を、意識することが重要。こうした体勢は腹筋の緊張が緩むため、吐き気を和らげるのに役立ちます。

またベッドで過ごすときは、横向きに寝るようにしてください。万が一、その場で吐いてしまったときに吐物を詰まらせないようにするためです。

ノロウイルス,吐き気  吐いてしまった場合

口の中を 10 回ほどしっかりとすすぐ。乳幼児や高齢者の場合、口の中に吐物が残っていないかを念入りに確認。万が一、喉に詰まらせていればすぐに救急車を呼ぶこと。

◆ 深呼吸をする

吐き気があると呼吸が浅く早くなりやすく、さらなるおう吐を誘発することも。

深呼吸をすると、呼吸が整い吐き気が落ち着きやすくなります

  • 鼻から息を吸い、口から息を吐く
  • 今の呼吸よりゆっくりしたリズムを意識する

…といった方法で行います。ご家族がいる場合は、背中をさすってもらうと良いでしょう。

ノロウイルス,吐き気  吐き気を抑える「関衝(かんしょう)」のツボ

薬指の爪の横にある窪み。反対の手の親指と人差し指ではさみ、人差し指の側から押す。

◆ 冷水でのうがい

特におう吐した後は、口の中で胃酸がこみ上げるにおいから、さらなる吐き気を誘発することもあります。
うがいで口の中を清潔に保つと良いです。

うがいには、

  • 冷水
  • レモン水
  • 炭酸水

…などを使うのがおすすめ。口の中がさっぱりして吐き気が静まるでしょう。

2-3.吐き気があるときの飲み物・食べ物

吐き気があるときは、正しい水分補給と栄養摂取がとても重要です。

ここでは、

  • 吐き気があるときの飲み物
  • 吐き気があるときの食べ物

…をご紹介します。

◆ 水分補給

前提として、最初のおう吐から間もないうちは一切の飲食を控えてください

飲み物を摂るのは、最低でも 1~2 時間以上経ち、吐き気が落ち着いてきてから。喉の渇きに合わせてひと口ずつのペースで飲み始めましょう。

その際の飲み物は、

・経口補水液
(最も効率的に水分補給ができる)
・スポーツドリンク
(そのままでは糖分が多いため、水で 3 倍に薄める)

…といったものがおすすめです。

◆ 栄養摂取

水分補給をしても吐き気が出ないくらいにまで回復すれば、食事を摂っても構いません。ただし、いきなり通常メニューには戻さず、

・油分や脂肪分の少ない、おかゆやゼリー
・柔らかくて温かい、うどんやスープ

…などを選んでください。

さらに次のような、吐き気に効く食材を取り入れるのも効果的です。

吐き気の症状に効果的な食べもの

・生姜(ジンジャー)
・梅干し
・かぶ

一度弱った胃腸が回復するにはまだ時間がかかるため、自然な食欲に合わせた食事を心がけてください。

3.いつまでも吐き気が続くときには

ノロウイルスの症状が落ち着くまでの期間は、2~3 日ほど。もしもそれ以上、吐き気やおう吐が続いている場合は、病院に行くことをおすすめします。

また次のような状態にも、注意が必要です。

病院に行くべきケース

・激しいおう吐が連続している
・下痢が 10 回以上続いている
・耐えきれないほど強い腹痛がある
・血便や黒い便が出た
・38 ℃以上の熱がある

これらの症状が一つでもみられたときには、重症化のおそれがあるため、早めに受診してください。

4.まとめ

ノロウイルスの吐き気について、まとめました。

吐き気があるときの考え方
  • 慌てて病院に行かなくても良い
  • 初期段階で吐き気止めは使わない
  • おう吐が治まるまでは、飲食物を摂らない

自宅での対処法
  • 背中を丸めた体勢をとる
  • 深呼吸をする
  • 冷水でうがいをする

飲み物、食べ物
  • 経口補水液
  • スポーツドリンク
  • 油分や脂肪分の少ないおかゆやゼリー
  • 柔らかくて温かいうどんやスープ

ノロウイルスは症状が激しく出るものの、思っていたよりも早く体調が回復する場合が多いです。

ご紹介した方法で、早く回復させましょう。

職場に復帰される方は、「ノロウイルスの出勤|職種別の復帰する目安と仕事に戻るときのマナー」の記事も、参考にしてみてください。

◆ 参考文献