「一緒に居た友達がノロウイルスに…」
「お腹の調子が変だけど、もしかして…」

ノロウイルスが流行する時期には、周囲でも感染の話を聞くようになり、自分もかかっていないかと不安になりますよね。

ここではノロウイルスに関して、

  • 潜伏期間の日数
  • 感染の可能性を判断するポイント
  • 感染したときの対処法

…をご紹介します。ノロウイルスの潜伏期間を知ることで、もし症状が出たときに対処するタイミングを見逃さないようにしてください。

1.ノロウイルスの感染経路と症状

ノロウイルスは毎年 11~2 月にかけて流行し、感染すると激しい胃腸炎の症状を引き起こします。

原因となるノロウイルスは、手のしわにも簡単に入り込んでしまうほど小さいのが特徴です

1-1.ノロウイルスが体に入るまで

ノロウイルスに感染するルートは、

  1. 汚染された食品(食中毒)
  2. 手に付いたウイルス(接触感染)
  3. 空気中のウイルス(空気感染)

…の 3 つに分けられます。

ノロウイルスは感染力が強く、少しのウイルスに接触しただけでうつってしまうのが特徴です。また一度かかっても「免疫」が付かないため、同じ人が何度もかかります。そのため流行期には誰にでも感染のおそれがあります。

ノロウイルス,潜伏期間  ハテナ辞典「免疫(めんえき)」

ウイルスや細菌などの外敵に対抗する体の
防御機能のこと。 通常は、体に入った異
物は記憶され、それに対する仕組み(免疫)
が作られる。

1-2.ノロウイルスの主な症状

ノロウイルスにかかると、おう吐や下痢などが激しく現れます。初期段階には、

・ムカムカとこみ上げるような吐き気
・チクチクと刺すような腹痛

…といったお腹の異変を感じることがあり、最終的には我慢できず吐いてしまうことが多いです。

また水も飲めないほど激しいおう吐や、トイレから離れられないほどの下痢を繰り返す場合もありますが、通常 2~3 日ほどで自然に回復します。

ノロウイルス,潜伏期間  ノロウイルスでは微熱が出ることも

最初のうちは、発熱や頭痛など風邪のような症状が出る場合もある。周囲で胃腸炎が流行しており、お腹の調子が悪くなったらノロウイルスを疑うこと。

2.ノロウイルスの潜伏期間

ノロウイルスなどの感染症では、病原体が体に入ってから症状が出るまでを『潜伏期間』といいます

2-1.潜伏期間の日数

ノロウイルスの潜伏期間は、1~2 日です。

ただし必ずしもこの日数とは限らず、

・体内に入ったウイルスの量
・もともとの体質
・体の抵抗力


…といった要因が影響し、厳密には半日~3日まで幅があるとされています。一般的に潜伏期間中は自覚症状がほとんど出ません。ですがまれに、お腹の異変を感じたとの症例もあります

2-2.潜伏期間中に他人にうつる可能性

ノロウイルスの感染力は、

・潜伏期間中でも他人にうつる可能性がある
・ただし潜伏期間中の感染力は発症後に比べて低い

…といった点が特徴です。

最も多い感染源はトイレですが、ほかにも感染者との接触や食事のシェアによっても二次感染が起こるおそれがあります。

ノロウイルス,潜伏期間  症状がなくても感染力がある

ノロウイルスは感染しても発症しない場合や、軽い風邪のような症状のみで済む場合もある。だが、無症状であっても感染者の便には発症した人と同数近くのウイルスが潜むことも。

2-3.感染の可能性を知るポイント

ノロウイルスの感染を疑う場合、食べ物と人、どちらの感染源においても、当日から前々日の食べ物やウイルスとの接触が原因となります。

学校や会社で感染者が出たときや、お腹の調子が悪くなったときなど、ノロウイルスの可能性がある場合は、

  • 感染源となる食事
  • ウイルスに触れた可能性

…の 2 点を把握することで、感染したかどうかを知るのに役立ちます。それぞれについて、具体的な場面や行動例をご紹介します。

感染源となる食事の例

・カキなどの二枚貝を生で食べた
・衛生環境の整っていない店で食事をした

ノロウイルスに触れた可能性があるシーン

・目の前でおう吐した人がいた
・他者の汚物を処理した
・トイレの後に石けん手洗いを十分に行っていなかった
・食事の前に石けん手洗いを十分に行っていなかった

特に流行期にこうした例が思い当たる方は、感染の可能性が高くなります。ノロウイルスの一般的な潜伏期間である 1~2 日は、体調の変化に注意してください

3.ノロウイルスに感染したかもしれないとき

ここからは緊急時の対策として、

  • 体調の異変を感じたとき
  • 発症してしまったとき

…に分けて、対処法をご紹介します。

3-1.体の異変を感じたときの対処法

ノロウイルスでは多くの場合、前触れなく症状が現れますが、まれにお腹の違和感が出ることもあります

「胃がもたれて気持ち悪い…」
「お腹が張って食欲がない…」

…といった体の変化があれば、感染を疑ってください。この段階での対処法は、

・外出せず安静に過ごす
・肌着や毛布を増やし体を温める
・食事は控え水分を摂りながら過ごす

…ことをおすすめします。仮に感染していても適切に対処すれば、発症しない場合や軽症で済むこともあります

3-2.発症したときの対処法

ここからは吐き気や下痢など、ノロウイルスを疑う症状が出たときの対処法です。

◆ 自宅療養のポイント

万が一発症してしまったとしても、ノロウイルスに有効な薬はありません。治療の基本は安静に過ごし、ウイルスが排出されるのを待つだけです

そのためには、

・おう吐の後、数時間は食事と水分を控える
・下痢止め薬の服用は控える
・おう吐が落ち着いてから水分を摂る

…といったことを意識しましょう。特に感染初期は、無理に下痢を止めると症状が長引きやすいため、注意してください。

ノロウイルス,潜伏期間  子どもや高齢者は特に注意

大人に比べて体力がなく、吐いた物を喉に詰まらせたり、吐物のせいで肺炎を起こしたりするケースがある。体調の変化を見逃さないよう注意する。

◆ 水分補給のポイント

ノロウイルスでは便や吐物から多くの水分が失われるため、脱水に注意が必要です。ただし、たくさん飲めば良いというわけではなく、正しい水分補給が大切

ポイントは、

・経口補水液(経口補水液OS-1〈大塚製薬〉など)を選ぶ
・常温または人肌ほどに温めて飲む
・一口ずつゆっくりと飲む

…です。スポーツドリンクは多くの糖が含まれているため、水で 3 倍程度に薄めてから飲むようにしてください。

4.身近な人への感染を防ぐために

家族が吐いてしまった場合などは、適切な方法で処理することが重要です。キッチンハイター(花王)などの塩素系漂白剤による消毒液を用意してください。

汚物処理の方法
  1. 使い捨てのマスク、エプロン、手袋を着用
  2. ペーパータオルでふき取り、消毒後に水拭き
  3. ​​​​処理時は汚物の空気を吸い込まないよう注意
  4. 汚物や使用後の手袋などは密封して廃棄
  5. 処理後は石けん手洗い

そのほかの消毒法

◆ 調理器具や食器など
…感染者は調理を控える
…使用後は「洗剤で洗浄+加熱または消毒」


◆ ドアノブやカーペットなど
…消毒液を吹きかける
…スチームアイロン(90 ℃以上)も有効


◆ 衣類やタオルなど
…汚物が付着したものは分別する
…洗剤を加えて揉み洗いした後、十分にすすぐ(85 ℃以上のお湯で 1 分間以上、または消毒液を用いる)

汚物が正しく処理されないと、乾燥してチリやほこりとなったウイルスにより、さらに感染が広がることもあるため注意してください。

5.まとめ

ノロウイルスの潜伏期間について、まとめました。

潜伏期間の日数

…感染後、症状が出るまで 1~2 日


潜伏期間中に気を付けること

…他人にうつる可能性がある(症状がなくても便からウイルスを排出)


感染の可能性が高い行動やシーン

・カキなどの二枚貝を生で食べた
・衛生環境の整っていない店で食事をした
・目の前でおう吐した人がいた
・他者の汚物を処理した
・トイレの後に石けん手洗いを十分に行っていなかった
・食事の前に石けん手洗いを十分に行っていなかった

お腹の症状があったとしても、必ずしもノロウイルスとは限りません。ご紹介した情報を参考に、正しく判断して適切な対処をしてください。

◆ 参考文献