「吐き気がひどくて苦しい…」
「急にお腹が下ってきた…」

冬になると流行するノロウイルス。急にお腹の調子を崩したときは、感染したのかどうか気になりますよね。

ただし原因がノロウイルスであると確定するためには、検査を受けなければなりません。

この記事では、

  • ノロウイルスの検査の詳細
  • 検査を受けるメリット・デメリット
  • ノロウイルスを早く治す方法

…をご紹介します。前もって知ることが難しいノロウイルス検査を取り上げますので、ぜひ参考にしてください。

1.ノロウイルスとは

ノロウイルスは、感染した人の吐物や便によってうつるほか、二枚貝などによる食中毒が原因で発症します。

まずはノロウイルスの症状について、ご紹介します。

1-1.ノロウイルスの症状

ノロウイルスに感染すると、1~2 日ほどの潜伏期間の後、おう吐や下痢、激しい腹痛が起こります

また場合によっては、発熱や頭痛を伴うことも。最初に感じる体の異変は、

  • チクチクと刺すような腹部の不快感
  • こみ上げるような吐き気
  • 突然のおう吐や下痢

…といった症例が多いです。

ただしノロウイルスが流行する冬は、ほかの感染症も流行する季節。お腹以外の症状もあるときは、インフルエンザや風邪の可能性もあります。

ノロウイルス,検査  インフルエンザとの違いは熱の出方

同じ時期に流行するインフルエンザとの違いは発熱。ノロウイルスではあまり出ないか、出ても微熱程度。インフルエンザでは 38 ℃以上の高熱が出ることが多い。

1-2.ノロウイルスのセルフチェック

吐き気やお腹の症状があると、その原因がノロウイルスなのかどうか気になりますよね。

初期症状だけでは判別が難しい場合は、次のセルフチェックを試してみてください。

ノロウイルスのセルフチェック
 
□ 季節が冬である
□ 突然の激しい吐き気・またはおう吐をした
□ 下痢がひどく、水のようなゆるい便が出る
□ 胃の不快感や膨満感がある
□ 最近、カキやシジミなどの二枚貝を食べた
□ 周囲にノロウイルスの感染者がいた

あくまでも目安にすぎませんが、当てはまる項目が多いほどノロウイルスの疑いが強いといえます。

ただし乳幼児の場合は、同じ感染性胃腸炎を引き起こすロタウイルスの可能性もあります。ノロウイルスに比べて下痢の症状が強く出るのが特徴です。

2.ノロウイルスの疑いがあるとき

ここからは、ノロウイルスの疑いがあるときに知りたい、

  • 受診の必要性
  • 病院での検査
  • 病院の選び方

…について、ご紹介します。

2-1.ノロウイルスの検査

ノロウイルスの疑いで病院に行っても、通常は検査が行われません

それはノロウイルスには特効薬がなく特別な治療法もないため、検査結果によって治療方針や処方薬が変わらないことが理由の一つです。

ただし、患者が希望した場合や一部の方には、検査が行われることがあります。

ノロウイルスの検査

【検査方法】
…検便または、綿棒を直腸に入れて採便する

【検査精度】
…70 %程度(正しい結果が出ないことも)

【かかる時間】
…検査開始から結果が出るまで、30 分間程度

【金額】
…保険適用外のため全額負担で 3,000~5,000 円(診察費や薬代は別途必要)

※ 3 歳未満の乳幼児と 65 歳以上の高齢者、または特定の持病がある方のみ、健康保険が適用される

検査をしない場合でも、現れている症状や直近で食べた物、流行状況などから総合的に判断しノロウイルスの可能性があれば、感染性胃腸炎と診断されます。

2-2.病院に行くメリット、デメリット

健康な成人であれば、苦しい症状が続く期間はせいぜい 3 日間程度で、後は自然と落ち着くもの。そのため、必ずしも病院に行く必要はないといえます。

ノロウイルスのときは、病院に行くメリットもありますが、人によってはデメリットも少なからずあります。

病院に行くメリット
  • 症状を緩和する薬が処方される
  • 重症化を予防できる(特に幼児や高齢者)
  • 必要に応じて、診断書を発行してもらえる
  • 医師に診てもらう安心感がある
     
病院に行くデメリット
  • 劇的な治療法がない
  • 体力を消耗しやすい
  • 治療費と検査費を合わせると、高額になる
  • トイレ使用により、ウイルスを拡散しやすい

こういった点から、ご自身やご家族が受診するべきかを判断してください。

ただし、

  • 1 日に 10 回以上の下痢がある
  • 便に血が混じっている
  • 強い吐き気や腹痛がある
  • 38 ℃以上の熱がある

…といった場合は、重症化しているおそれがあるため、受診したほうが良いです。

2-3.病院を選ぶポイント

ノロウイルスが疑われるときに受診する病院は、

  • 内科・消化器科
     
    …子どもは小児科でも可
  • 自宅から近い病院
     
    …移動時間での体力消耗を防ぐため
  • なるべく大きな病院
     
    …トイレの個室数が多く、急な下痢やおう吐が起きても安心

…といったところを選んでください。

ただし検査に関しては病院によって対応していないところもあるため、検査を希望する方は事前に電話で確認することをおすすめします

ノロウイルス,検査  食品関係・施設関係者の検査

集団感染につながるおそれのある人には、精密検査が推奨されている。今回紹介した迅速検査とは異なり、結果までに 3~10 日間、費用も 1~2 万円かかる。

3.療養期間中の正しい過ごし方

受診したかどうかに関わらず、数日間は自宅での療養が必要となります

ここからは、早く治すための心がけ、感染を広げないための注意点、についてご紹介します。

3-1.早く治すための 5 つの方法

ノロウイルスを早く治すためには、

  • 十分な睡眠をとる
  • 吐き気や下痢を我慢しない
  • 水分補給を正しく行う
  • 症状に合わせた食事
  • 整腸薬を服用する

…といった対処が有効です。

◆ 十分な睡眠をとる

ノロウイルスを治すためには、しっかりと療養する必要があります。具体的には、

  • 症状が治まるまでは可能な限り自宅から出ない
  • できるだけベッドの上で過ごし安静にする
  • 普段より長く睡眠をとる

…といったことが大切です。

◆ 吐き気や便意を我慢しない

吐き気や下痢の症状は、体がウイルスを外に出そうとしている作用です。

そのため、

  • 我慢せずトイレに行く
  • 下痢止め薬を飲むのは避ける

…これらが大切です。

トイレを我慢すると、回復までの期間が長引いてしまいます。ウイルス数が減少すれば次第に症状は落ち着くので、出し切るように努めてください。

◆ 水分補給を正しく行う

ノロウイルスのときは、ただ水分を多く飲むのではなく、胃腸の調子や喉の渇きに合わせて効果的に摂ることが大切

  • 最初のおう吐からしばらくは水分を控える
  • 吐き気が落ち着いたら水分補給を開始する
  • 5~10 分にひと口のペースで飲む
  • 水分をミネラルを補える経口補水液が良い

…これらを意識すると良いでしょう。

経口補水液がない場合は、スポーツドリンクを水で 3 倍ほど薄める、または、水道水の湯冷ましに砂糖と食塩を適量加えることでも代用できます。

◆ 症状に合わせた食事

吐き気がひどいときは、無理に食事を摂る必要はありません。食べてもまた戻してしまうと、胃腸の負担が余計に増えます。

食事に関しては、

  • 吐き気が落ち着くまで控える
  • 胃腸の調子が戻ってきたら食事を再開する
  • すぐに通常食にせず、おかゆなどを選ぶ

…とするのが良いでしょう。

◆ 整腸薬を服用する

  • ノロウイルス,検査
    医療相談ドットコム

病院でも処方される整腸薬。ノロウイルスは腸で増殖するため、市販の整腸薬で腸の働きを整えることも回復の助けになります

…などの商品を選ぶのが良いでしょう。

服用するタイミングは、少しずつ食事がとれるようになってからが望ましいです。

ノロウイルス,検査  整腸薬には、乳酸菌が配合されている

乳酸菌はノロウイルスに対して直接の効果はない。しかし下痢が続いた後、腸内でプラスの働きをすることで健康を取り戻す手助けとなる。

3-2.感染を広げないために

ノロウイルスは、吐物や便が原因となり、人から人へ感染します。療養中は、普段以上に衛生面に気を付けて行動してください。

次のようなことを意識して、感染の拡大を防ぐことが大切です。

感染を広めないためにできること

・手洗いや入浴
…特にトイレ後の手洗いを重視する
…家族と同居中の場合、最後に入浴する

・トイレの清掃
…できる限り自分で清掃を行う(症状消失後も便からウイルスが排出されるため)

・吐物は塩素系消毒液で処理
…キッチンハイター(花王)などを用意する
…水を入れた 500 mlのペットボトルにキャップ半分程漂白剤を入れて混ぜる

4.まとめ

ノロウイルスの検査についてまとめました。

検査について

・病院で、簡易キットによる検査が受けられる
・検便または、綿棒を直腸に入れて検査
・70 %程度の確率で正しい結果が出る
・検査開始から結果まで、30 分間程度
・検査費用は実費で 3,000~5,000 円


病院に行くメリット・デメリット

・重症化を防げる
・吐き気止めの薬や整腸薬が処方される
・必要に応じて、診断書を発行してもらえる
・医師に診てもらう安心感がある

・ただし感染が認められても対抗薬はない
・体力を消耗しやすい

多くの場合、ノロウイルスの検査を受けることが早期回復につながるというわけではありません。

体の不調を治すのは、自らの免疫によるところが大きいからです。適切に対処して、症状が落ち着くまで乗り切ってください。

◆ 参考文献