「お腹が下ってトイレから出られない…」
「さっき行ったばかりなのにまた…」

ノロウイルスの流行期、下痢に苦しむ方が多いです。そんなとき、いつになれば症状が治まるのか、不安に思っていませんか?

この記事では、

  • ノロウイルスで起こる下痢の特徴
  • 薬の使用について
  • 下痢を早く治すための方法

…をご紹介します。正しく対策して早く下痢の症状を治すために、ぜひ参考にして下さい。

1.ノロウイルスとは

冬の季節、突然お腹を下すとノロウイルスではないかと心配になるものです。

ここではまず、ノロウイルスの特徴下痢の症状について、ご紹介します。

1-1.ノロウイルスの特徴

ノロウイルスは、食べ物や、感染者の吐物や便から飛び散るウイルスが体内に入ることで、感染します。

ノロウイルスを発症すると、激しい胃腸炎を引き起こし、

・吐き気やおう吐、腹痛、下痢
・突然のこみあげるような吐き気からおう吐に至る

…といった症状が出るのが特徴です。

ノロウイルス,下痢  人によって強く出る症状に違いがある

子どはおう吐の症状が激しい一方、大人は下痢の症状が強く出る傾向に。また、人によっては発熱や頭痛など風邪のような症状が出ることもある。

ノロウイルスで起こる吐き気については、「ノロウイルスの吐き気|ぶり返す気持ち悪さをしずめる3つの応急処置」の記事で、詳しくご紹介しています。

1-2.ノロウイルスで起こる下痢

下痢は、ノロウイルスで起こる代表的な症状の一つです。

ノロウイルスの下痢は、

・ウイルスを体外に排出するために起こる
・回数には個人差があり、複数回起こりやすい
・普段健康な大人であれば 2~3 日で落ち着く

…が特徴。食べ過ぎや飲み過ぎによる下痢とは違い、激しく何度もお腹が下ります。

ですがノロウイルスの下痢は、体への悪影響は少ないため、過度に心配する必要はありません。

ノロウイルス,下痢  下痢は体を守るための作用

下痢は体内に入った異物を外に追い出し、健康を守るための仕組みが働いている証でもある。

2.下痢を早く治すための対処法 5 選

ノロウイルスには、これといった特効薬や治療法はありません。普段健康な方であれば、水分を摂りながら安静に過ごすことで自然に治癒します

ここからは自宅で過ごす際に、少しでも早く症状を落ち着かせるために意識したい、

  • トイレを我慢しない
  • 効果的な水分補給
  • 正しい食事
  • 体を温める
  • 効果的な安静

…といった 5 つのポイントを、ご紹介します。

◆ トイレを我慢しない

はじめてノロウイルスになった方は特に、何度も波のように訪れる便意に戸惑います。

「またトイレ…」
「 5 分前に行ったばかりなのに…」

…というように、息つく間もなく便意を感じることも珍しくありません。そのような頻度で下痢が起こっているときには、

・トイレを我慢せず出し切る
・基本的に下痢止め薬は服用しない

…ことが重要です。

ベッドとトイレの往復は体力を消耗します。ですが面倒だと思わず、便意を感じる度に必ずトイレに行くようにしてください

ノロウイルス,下痢  下痢止め薬のデメリット

ウイルスの排出を止めてしまうため、完治までの期間が長引く。外出時などやむを得ない状況を除き、服用しないほうが良い。

◆ 効果的な水分補給

ノロウイルスによって下痢が起こると、便から多量の水分と、塩分やカリウムなどのミネラルを失います。そのため体内の水分が不足し、脱水になりやすいことに注意が必要です

飲み物は、脱水予防に効果的な「経口補水液」または「スポーツドリンクを水で3倍程度に薄めたもの」を選んでください。

飲み方のポイントは、

・最初のおう吐からしばらくは飲食を控える
・吐き気が落ち着いたら、一口ずつ飲む
・常温または温かい状態で飲む

…ことが大切です。特におう吐の直後は少しの水分でも胃腸の負担となるため、注意してください。

ただし吐き気がなければ、ある程度多めに飲んでも良いでしょう。

ノロウイルス,下痢  下痢が 10 回以上連続したときは注意

近くのクリニックに電話し、症状を相談すること。吐き気が落ち着かず、全く水分を摂れない状態が続いたときも同様。

◆ 正しい食事法

ノロウイルスでは特に、最初のおう吐から丸一日ほどは、何も食べられない状態になりやすいです。

食事に関しては、

・吐き気がなくなり、自然な食欲が戻ったら再開する
・柔らかく消化に良い食べ物を選ぶ
・胃にやさしい温かい食べ物を選ぶ

…ようにしてください。胃腸が栄養を吸収できる状態まで回復するには、時間がかかります。すぐに通常の食事は摂らず、徐々に戻していくのが良いでしょう

食事を再開するときのおすすめメニュー

・ゼリー飲料(冷えたものは避け、常温で)
・麺が柔らかくなるまで煮込んだ温かいうどん
野菜がくたくたになるまで煮込んだスープ
おかゆ(梅干しを入れたり、番茶やほうじ茶などで煮出しても良い)

◆ 体を温める

ノロウイルスの下痢には、体(特にお腹)を温めるのが効果的です。温めることで腸の動きが落ち着き、便意を鎮めるのに役立ちます。

具体的な方法として、

・エアコンやストーブで室温を上げる
・肌着や毛布の枚数を増やす
・おへそのあたりに湯たんぽやカイロを当てる

…を行うと良いでしょう。

ノロウイルス,下痢  体温と健康の密接なつながり

「寒くて風邪を引いた」とよくいわれるように、冷えは免疫力を下げ、体のあらゆる不調の要因に。すでに体調を崩しているときも、温めることで早期に回復しやすい。

◆ 安静に過ごす

ノロウイルスで下痢がひどいときは、ゆっくりと休むことが大切です。

安静に過ごすことで腸の動きが落ち着き、便意を起こしにくくなります。また体力を温存できるので、ノロウイルス自体の回復にもつながります。

休む際のポイントとして、

・お腹を締め付けない服を着る
・楽だと感じる体勢を保つ
・深い呼吸を意識し、体内に酸素を取り込む

…が良いでしょう。仕事や勉強、読書なども避けたほうが望ましいです。

ノロウイルス,下痢  体だけでなく頭も休めること

脳は多くのエネルギーを消耗するため、頭を使うと体の回復に向けられるべきエネルギーの不足に。また腸は、緊張やストレスなどの影響も受けやすいため心身の安静が大切。

3.下痢が続く場合

ノロウイルスの下痢は、普段健康な方であれば 2~3 日間程度で治ります。ただし下痢の症状が、

・10 回以上連続している
・1 週間以上続いている

…といった場合には、重症化のおそれがあるため必ず病院に行き、医師に相談してください。

特に子どもや高齢の方は大人に比べて体力がないため、症状が長引きやすく、注意が必要です。

ノロウイルス,下痢  便の色やほかの症状にも注意

日数にかかわらず、血便や黒色の便が出るときも注意。激しい腹痛や高熱が出たときも早めに病院で診察を受けること。

4.回復後の便秘を防ぐために

「下痢は治ったけど、今度は便秘に…」
「お腹の調子がずっとおかしい…」

…など、ノロウイルスから回復しても、便秘に悩まされるケースが多く報告されています

これは下痢によって、腸内細菌(特に体に良い影響を及ぼす善玉菌)が必要以上に流れ出てしまい、腸内環境が乱れるため。

便秘予防には、次の方法が効果的です。

便秘を防ぐ方法

・食生活の改善
…野菜を中心に、バランスの良い和食を心がける

・整腸薬の服用
新ビオフェルミン S 錠(ビオフェルミン製薬)などを飲み、善玉菌を増やす

・適度な運動
…ウォーキングやストレッチなどで血行を促す

・ストレスの軽減
…趣味や娯楽、入浴などでリラックスする

腸には、健康にかかわる免疫細胞の約 6 割があることが分かっています。そのためご紹介した便秘対策など、腸を良好な状態に保つことは風邪や病気の予防にもつながります

5.まとめ

ノロウイルスで起こる下痢について、まとめました。

下痢の特徴
  • ウイルスを体外に排出するために起こる
  • 回数には個人差があり、複数回起こりやすい
  • 2~3 日ほど続く

下痢を早く治すための対処法
  • トイレを我慢せず、しっかりと出し切る
  • 喉の渇きに合わせてひと口ずつ水分補給
  • 自然な食欲が戻ってから食事を再開
  • 体を温める
  • 安静に過ごす

下痢の症状が続くと不安ですが、ノロウイルスが体の外に排出されれば、症状は治まります。

一時の我慢だと捉え、体調不良をうまく乗り切りましょう。

職場に復帰される方は、「ノロウイルスの出勤|職種別の復帰する目安と仕事に戻るときのマナー」の記事も、参考にしてみてください。

◆ 参考文献