「うちの子が突然吐いた…」
「いつもより水っぽい便だけど大丈夫かな…」

…赤ちゃんの具合が良くないとき、こんな小さな体でもしもノロウイルスに感染していたら、と心配になりますよね。

この記事では、0~1 歳くらいのお子さんを対象に、

  • 赤ちゃんがノロウイルスにかかったときの症状
  • 症状が出ているときのお世話の仕方
  • 赤ちゃんから家族への感染を防ぐ方法

…など、ノロウイルスから赤ちゃんと家族を守るポイントをご紹介します。

また、お母さんがノロウイルスに感染してしまったときの対処法も取り上げました。

幼児期以降のお子さんの情報は、「ノロウイルスにかかった子どもにお母さんがしてあげられる4つのケア」の記事をご覧ください。

1.ノロウイルスとは 

ノロウイルスは冬に流行し、胃腸炎を引き起こす感染症です。まずは、ノロウイルスの特徴と、赤ちゃんが感染したときの症状をご紹介します。

1-1.ノロウイルスの症状と感染経路

ノロウイルスは感染力が強く、赤ちゃんからお年寄りまで幅広い年代にかかります。一般的なノロウイルスの特徴として、

・11~2 月に流行する
・主な症状は吐き気やおう吐、腹痛や下痢


…が挙げられます。

なお、原因となるノロウイルスが体の中に入るルートは、次の 3 つに分けられます。

ノロウイルスの感染経路

1.食品による感染(食中毒)
2.手に付いたウイルスによる感染(接触感染)
3.ウイルス吸引による感染(空気感染)

1-2.ノロウイルスが赤ちゃんに感染する可能性

ノロウイルスは赤ちゃんにも感染します。感染を疑う症状としては、

・前触れなくおう吐する
・クリーム色や黄色の水っぽい便が出る
・触れると熱っぽい

…といった変化に注意が必要です。

言葉で伝えられない赤ちゃんの場合、何らかのサインを示します。お母さんが「いつもと違うな」と感じたときには、感染を疑うことが大切です。

ノロウイルス,赤ちゃん  感染を見分けるのは難しい

赤ちゃんは胃や腸が未発達なため、健康なときでもミルクをすぐに吐き出してしまうことがある。便も普段から緩くなりやすいため、おう吐や下痢だけにとらわれず全体の様子から判断することが大切。

2.赤ちゃんのノロウイルス

ここからは、赤ちゃんのノロウイルスで注意すべきことや、お母さんができる対処をご紹介します。

2-1.赤ちゃんが発症してから治癒するまで

体力がある大人であれば 2~3 日ほどで症状が落ち着きますが、赤ちゃんは重症化するおそれもあり注意が必要です

赤ちゃんがノロウイルスにかかった場合、

・症状が長引きやすい
・下痢だけが 1~2 週間続きやすい

…といった傾向があることを把握しておきましょう。

症状があってもミルクなど水分が摂れて徐々に食欲が戻りそうなら、しばらく様子をみてあげてください。

ただし、次のような状態は脱水など重症化のおそれがあるため、かかりつけ医への受診を急ぐことをおすすめします。

すぐに病院へ行くべきケース
  • おう吐などで半日以上、水分が摂れていない
  • おしっこの量が極端に少ない
  • 唇がひどく乾燥している
  • 血便や黒い便が出ている
  • ぐったりしている
  • 泣き方やぐずり方がどんどん強まっている

保育所への復帰は、おう吐・下痢の症状が治まり、通常の食事ができるのが目安。ただし回復後も感染力があるため、復帰時期は保育所に相談すると安心です。

2-2.お世話するときに気を付けること

ここからは、ノロウイルスにかかった赤ちゃんをお世話するときの、

  • オムツ交換
  • 母乳と離乳食
  • 脱水予防
  • 家族への二次感染予防

…の 4つのポイントをご紹介します。

◆ オムツ交換

便には、多くのウイルスが含まれます。そのためオムツ交換時は、感染が広がる原因になりやすいです。

オムツ交換の際には、

毎回同じ場所で行う
使い捨て手袋、エプロン、マスクを着用する
使用済みオムツや手袋はすぐに密封処分する
交換後はすぐに石けんで手洗いをする

…とするのが良いでしょう。症状がなくなっても 1~3 週間はウイルスが便から排出されるため、しばらくは注意が必要です。

ノロウイルス,赤ちゃん  オムツかぶれを防ぐには

すぐに交換する、シャワーでおしりを洗う、おしりをよく乾かす、などを意識すること。

◆ 母乳や離乳食

赤ちゃんが感染しているときの母乳や離乳食の注意点として、

・少量ずつ母乳やミルクをあげる
・おう吐がなくなるまで離乳食は控える

…を意識すると良いでしょう。離乳食を再開するときは、1 段階下げるなど柔らかいものにしてください。

ノロウイルス,赤ちゃん  母子免疫が効かない病気もある

母子免疫とは、妊娠中の胎盤や母乳によって免疫が胎児に引き継がれること。ただし、ノロウイルスの免疫はお母さんから赤ちゃんには引き継がれない。

◆ 脱水症状

体の水分調節が上手くできない赤ちゃんがノロウイルスにかかると、おう吐や下痢を繰り返しやすいため、脱水に注意が必要です。

脱水を防ぐには、アクアライト ORS(アサヒグループ食品)などの経口補水液が効果的

ただし、

  • おしっこの量が減る
  • 泣いているのに涙が出にくい
  • 唇や口が乾いている
  • お腹の皮膚にハリがなく、しわになっている
  • 手足が冷たくなっている

…といった症状が出て、口からの水分摂取ができないときは、脱水症状のサインです。早めに医療機関を受診してください。

◆ 家族への二次感染予防

ノロウイルスは感染力が強いため、赤ちゃんを看病する両親や同居する兄弟姉妹にもうつることがあります。

家族への感染拡大を防ぐために、

  • タオルやおもちゃを共用しない
  • 赤ちゃんに使用した食器は消毒する
  • 赤ちゃんの衣類は家族とものとは分けて洗う

…といったことを意識してください。

感染した赤ちゃんは家族と部屋を分けるのが理想ですが、目を離すのが心配な方もいるはず。大人が予防に向けた環境作りをしてあげてください。

3.お母さんのノロウイルス

ここからは、お母さんがノロウイルスに感染したときに悩むことが多い、

  • 母乳からの感染
  • 赤ちゃんとの接触

…について、ご説明します。

◆ 母乳のあげ方

お母さんがノロウイルスに感染しても、授乳を続けて問題ありません。母乳にウイルスが含まれることはないためです。

とはいえ、おう吐や腹痛でつらいときは、ご自身の体調を優先してゆっくり休んでください。ある程度回復して母乳をあげる際には、

  • 授乳前の石けん手洗い
  • エプロンの着用または着替え
  • 赤ちゃんに髪が触れないようにする

…といったことに注意し、赤ちゃんへの感染を防いでください。

また授乳によってお母さん自身の水分も不足しやすくなっています。授乳を開始したら水分補給を忘れないようにしましょう。

◆ 赤ちゃんとの接し方

ノロウイルスは、感染者の便や吐物に含まれます。ただ触れるだけでうつる可能性は低いですが、トイレの使用や吐物処理によって手にウイルスが付着しないよう、注意が必要です。

特に、

  • トイレ使用後
  • 離乳食などを用意する前
  • ミルクや食事をあげる前

…といったタイミングには、必ず石けんを使って 15~30 秒かけて手を洗ってください

唾液にウイルスが含まれることはありませんが、おう吐した後はウイルスが口の中に残りやすいです。おう吐後は 10 回ほどうがいすることをおすすめします。

4.赤ちゃんにも安心な消毒法

最後に、赤ちゃんがいる家庭でもできる消毒方法と、おすすめ消毒グッズをご紹介します。

4-1.加熱・スチームによる消毒

ノロウイルスの消毒は、キッチンハイター(花王)などの塩素系漂白剤を薄めて行うのが効果的です。

消毒液の作り方

① 500 mlペットボトルに 2 mlの塩素系漂白剤を入れる
② 水を加え、キャップを締めてよく振れば完成

この消毒方法は人以外であれば使用できますが、赤ちゃんがいると安全性が気になる方もいるでしょう。その場合は、

・煮沸消毒
…食品や調理器具は 85 ℃で 1 分間以上
・スチームアイロン
…3 分間以上かけると良い

…といった加熱消毒で対応してください。家庭用の布団乾燥機は十分な加熱効果が得られないため、ノロウイルスの消毒には適しません。

4-2.おすすめ消毒グッズ

◆ ミルトン(杏林製薬)

赤ちゃんに使うベビーグッズの消毒や殺菌に有効な、杏林製薬の次亜塩素酸ナトリウム消毒液「ミルトン」。

哺乳瓶などの消毒のほか、汚物の処理にも使うことができます。消毒した食器に液が残っていても、ミルクなどと混ざって食塩に分解されるため安心です。

商品詳細

ミルトン
◆ メーカー名:杏林製薬
◆ 価格:1,500 円(税抜)
◆ 内容量:1000 ml
​​​​◆ 買える場所:ドラックストア、通販
◆ 特徴:チャイルドプルーフキャップ、薬液に浸すだけの簡単消毒、すすぎ不要

公式サイトを見る

◆ 新除菌消臭チャーミスト(ポジティヴィスト)

医療のプロ向けに作られ、高い効果と安全性が期待できる、ポジティヴィストの除菌スプレー「新除菌消臭チャーミスト」。

香料などは使わず作られているため、眼や口、皮膚などへの刺激が少ないのが特徴です。

商品詳細

新除菌消臭チャーミスト
◆ メーカー名:ポジティヴィスト
◆ 価格:1,296 円(税抜)
◆ 内容量:300 ml
◆ 買える場所:ドラッグストア、公式通販
◆ 特徴:ウイルス除去率 99 %、安心安全の成分

公式サイトを見る

5.まとめ

赤ちゃんのノロウイルスについて、まとめました。

赤ちゃんの感染を疑うサイン
  • 前触れなくおう吐する
  • クリーム色や黄色の水っぽい便が出る
  • 触れると熱っぽい 
 
経過の特徴
  • 症状が長引きやすい
  • 下痢だけ 1~2 週間続くことがある

お世話の注意点
  • オムツ交換は衛生管理に注意する
  • 母乳やミルクをこまめにあげる
  • 脱水のおそれがあれば早めに受診する
  • 食器やおもちゃなどを消毒する
  • ほかの家族と物を共用しない

何でも触って口に入れてしまう赤ちゃんは、免疫も弱く体力もないため、重症化しやすいです。

赤ちゃんの回復を助ける環境づくりを心がけ、早めの対応をしてあげましょう。

◆ 参考文献