「インフルエンザウイルスってなに?」
「毎年流行するのはどうして?」

冬場に多くの方が体調を崩すなか、ふと疑問に思ったことはありませんか?

特に受験生や繁忙期を迎えた社会人、小さな子どもをもつお母さんにとって、インフルエンザへの感染は絶対に避けたいものです。

この記事では、インフルエンザウイルスについて、

  • ウイルスの種類
  • ウイルスの感染経路
  • ウイルスに対する予防法

…などの情報を、ご紹介します。

インフルエンザウイルスの仕組みを知ることで、感染しないためのより効果的な対策につながります。ぜひ、参考にしてください。

1. インフルエンザとは

インフルエンザとは、インフルエンザウイルスによる感染症です

風邪と違って、急激な高熱に襲われ、強い寒気や体のダルさといった全身症状が出るのが特徴です。

このような違いが出るのは、原因となるウイルスそのものが風邪と異なるためです。
※ 風邪の原因となるのは200種類以上のウイルスや細菌。

インフルエンザの流行時期は毎年、11~3 月。

冬に流行する理由は、

  • 乾燥によって喉や鼻の防御性が低下するため
  • 湿度が低い環境下でウイルスの生存期間が長くなるため

…といったことが考えられています。

2. インフルエンザウイルスを正しく理解する

風邪とは違い、激しい症状が出るインフルエンザ。その原因となるインフルエンザウイルスの特徴について、次で詳しくご説明します。

2-1.ウイルスの構造と分類

◆ ウイルスの構造

インフルエンザウイルスの大きさは 0.1 μm(ミクロン)程度で、1 mmの 1000 分の 1。これは食中毒などの原因となる細菌や、花粉症の原因となる花粉より、はるかに小さいものです

それぞれの大きさを比べてみると、次のようになります。

  • インフルエンザ,ウイルス
    医療相談ドットコム

これだけウイルスが小さく、鼻や口から体内に侵入するのが簡単であることも、私たちがインフルエンザに感染しやすい理由の一つです。

◆ ウイルスの種類

インフルエンザウイルスがほかのウイルスや細菌と大きく違うのは、

  • 種類が多いこと
  • 少しずつ形を変える(変異する)こと

…といった 2 つの点です。

そんなインフルエンザウイルスには、A・B・C、3 つの型があります。

インフルエンザウイルスの種類

◆ A型
…さらに 100 種類以上に細分化される
…変異しやすく、新型ウイルスが生まれやすい

◆ B型
…大きな流行はないが狭い地域で継続しやすい
…変異しにくいため、二度目の感染は少ない

◆ C型
…5 歳までにほとんどの人が感染する
…変異しにくいため、大人の感染例は少ない

毎年流行するのは A 型と B 型です。C 型は風邪と似た症状であるため、流行が問題になることはありません。

インフルエンザ,ウイルス  何度もかかるインフルエンザ

私たちの体には、一度感染したウイルスや細菌への抗体をつくることで感染を繰り返さないという防御機能がある。ただしインフルエンザウイルスは姿を変えるため、過去の抗体が通用せず、何度もかかる。

2-2.ウイルスの感染経路

インフルエンザウイルスは主に、次の 3 つの経路から体内に侵入します

◆ 飛沫感染

感染者の咳やくしゃみに含まれるウイルスを吸い込むことで、感染します。インフルエンザの場合、この経路による感染が最も多いといわれています。

咳には約 10 万個、くしゃみには約 200 万個のウイルスが含まれ、1~2 mの距離まで届きます。

◆ 接触感染

ウイルスの付着した物を口にしたり、ウイルスが付着した手で粘膜(口や目)に触れると感染します。飛沫感染の次に多いのが、この経路です。

  • 不特定多数が触れるドアノブや電車のつり革
  • 家族で共用するバスタオルや食器
  • 手洗いせずに食事をする

…といったことが、接触感染の原因となりやすいです。

◆ 空気感染(飛沫核感染)

感染者の飛沫に含まれるウイルスが空気中に長く留まっていた場合、それを吸い込むことで感染します。

ただしほかの 2 つに比べると、起こる可能性はとても低いといわれています。

発生するおそれがあるのは、

  • 飛行機やバスなど狭い気密空間
  • 病院や集団施設など密集環境

…といった場所です。

こうした感染経路を把握することで、ウイルスを体内に入れない正しい予防策がとれるようになります。

2-3.インフルエンザが発生する仕組み

そもそもインフルエンザウイルスとは、いったいどこからやってくるのでしょう。

発生の仕組みはまだすべてが明らかとなったわけではありませんが、答えは野生動物や家畜にあると考えられています。

インフルエンザの発生から流行

動物の体内にウイルスがある

② 人間に感染する

③ 社会である程度流行する

④ ウイルスが動物の体内で変異する

⑤ また人間に感染する

…といった流れを繰り返す

このようにウイルスは一度消えたようにみせかけてどこかに潜み、変異によって姿を変えて再び戻ってくると推測されています。

3.効果的な予防法

インフルエンザウイルスは、鼻や喉、目などから体内に入ります。対策の一つとして、物理的にウイルスを除去する方法からご紹介します。

ウイルスは手や物、衣類などに付着するため、その段階で対処しましょう。

  • 除去…物理的にウイルスを取り除ける
  • 消毒…ウイルスの感染力をなくす(不活化させる)

…といった主に 2 つの方法が有効です。

3-1.ウイルスを除去・消毒して予防する

ここからは、インフルエンザウイルスを除去・消毒して感染を防ぐ 4 つの方法を、ご紹介します。

  • 手洗い
  • 歯磨き
  • アルコール​消毒
  • 加湿器

では、それぞれの具体的な手順やポイントについて、順にご説明しましょう。

◆ 手洗い

手洗いはインフルエンザウイルスを除去する、代表的な方法です。

特にドアノブや電車のつり革などには、高い確率でウイルスが付着しています。その手を洗わずに食事をしたり口に触れたりすると、ウイルスが体内に侵入することに。

  • 帰宅後
  • 食事前
  • 調理前

…は、特に感染の原因になりやすいため、忘れず洗いましょう。水洗いでは除去しきれないため、必ず石けんを使ってください。

手洗いのポイント

・最低でも 15~30 秒かけて洗う
・「ハッピーバースデー」の歌、2 回分の長さ

特に見落としがちな指の間、爪、手の甲は、しっかりと洗うようにしてください。

◆ 歯磨き

直接的な除去ではありませんが、ウイルスを侵入しにくくするために「歯磨き」が有効です。

その理由は、口の中を清潔に保つことで、口腔粘膜が保護されるため。口の中が汚れると粘膜を破壊する酵素が増えることから、喉や鼻の防御機能が低下することが明らかになっています。

インフルエンザの流行シーズンは、1 日 3 回の歯磨きを心がけてください。

歯磨きのポイント

・歯と歯の間、歯と歯茎の境目は歯垢がつきやすいので念入りに
・舌の上に付いた汚れを落とすことも重要


◆ アルコール消毒

インフルエンザウイルスは、脂質性の膜で覆われています。アルコールにはこの膜を破壊し、不活化させる働きがあります

アルコールに関して

◆ 薬剤の選び方
…アルコール濃度 70 %以上を推奨
…スプレータイプのボトルが使いやすい

◆ 薬剤による消毒の方法
…手指に直接吹きかけて揉み込む
…アルコールを浸した布でドアノブなどを拭く

またアルコール以外にも、ハイターやブリーチなどの塩素系消毒液や、熱湯による煮沸消毒でも代用できます。

◆ 加湿器

空気感染が起こるのは、湿度の影響によりウイルスが長時間空気中を漂うからだと考えられています。

そのため、ウイルスが生存しにくい室内環境を作ることが重要となります

  • 室温 20 ℃以上を保つ
  • 湿度 50 %~60 %を保つ
  • 定期的に換気する

…といった点を意識してください。

インフルエンザ予防に効果的な湿度対策については、「インフルエンザと湿度|室内の乾燥を防ぐ5つの方法とおすすめ加湿器」の記事で詳しくご紹介しています。

3-2.免疫力を維持して予防する

インフルエンザに感染しないためには、ウイルスに対抗できる強い体であることも大切です。そこで重要なのが、体に備わる免疫力。

以下の点を意識して、免疫力の低下を防ぎましょう。

免疫力を保つ方法

・健康的な食事
…栄養素をバランス良く摂取する
…緑黄色野菜や果物は特に予防に役立つ

・十分な睡眠
…1 日 7 時間を目安に
…夜更かしは控えて早めに寝る

・冷えの防止
…冷えやすいお腹や足は重ね着する
…適度な運動を心がける

また、インフルエンザ予防として最も広く知られる予防接種は、発症予防だけでなく感染した際の重症化を防ぐ効果も期待できます。ぜひ検討してみてください。

4.もし感染してしまったら

インフルエンザは感染力が非常に強いため、個人がどれだけ注意していても発症してしまうことがあります。

インフルエンザと疑わしい症状があったら、早めに医療機関を受診しましょう

感染の疑いがある場合

病院
…内科や耳鼻咽喉科(子どもは小児科)を受診する

治療
…病院で処方される抗インフルエンザウイルス薬を服用する

療養
…水分を摂りながら安静に過ごす

外出
…医師から指示のあった期間は外出しない

受診は、発症から最低でも12時間経ってから行くことをおすすめします。半日経てば正しい検査結果が出やすいため、早い段階での治療が受けられます。

5. まとめ

インフルエンザウイルスについてまとめました。

ウイルスの種類

A・B・C の 3 つの型がある


ウイルスの特徴

・種類が多い
・変異しやすい
・乾燥した環境を好む


ウイルスの感染経路

・飛沫感染
・接触感染
・空気感染


主な予防法

・除去してウイルスを取り除ける
・消毒でウイルスの感染力をなくす
・健康な体でウイルスへの抵抗力を維持する

インフルエンザウイルスは目に見えないため「どこで感染するのか…」と不安な気持ちがあるかもしれません。

ですがウイルスへの正しい知識を持ち、しっかりと予防すれば高い確率で感染を防ぐことができます。

むやみに怖がらず、インフルエンザ流行の季節を乗り切ってください。

◆ 参考文献