インフルエンザと診断されて療養中に、

「なにも食べれないくらいお腹が痛い…」
「薬を飲んだら急に痛くなった…」

…といった、思いもよらぬお腹の痛みで戸惑っている方。

高熱や寒気、喉の痛みなどはイメージしやすいですが、インフルエンザで腹痛が起こることを知らない方も多いのではないでしょうか。

ここでは、インフルエンザで現れる腹痛について、

  • 腹痛が起こる要因
  • 腹痛を和らげる対処法

…を、ご紹介します。

考えられる要因によっては、適切なケアが異なる場合も。ご紹介する情報から、正しい対処をしてください。

インフルエンザで現れるほかの症状については、「インフルエンザを症状から判断する方法と今すぐできるセルフケア3選」の記事で詳しくご紹介しています。こちらもぜひ、ご覧ください。

1.インフルエンザで現れる腹痛

 インフルエンザは 11~3 月に流行する感染症で、インフルエンザウイルスが原因です。

『風邪の症状が重くなったもの』といったイメージが強いですが、腹痛や下痢、吐き気などの消化器症状が現れることもあります

インフルエンザで腹痛が現れる主な要因は、

  • ウイルスによって胃腸に炎症が起きている
  • 抗インフルエンザ薬の副作用
  • 感染性胃腸炎を併発している

…といった、3 つが考えられます。

◆ インフルエンザウイルスによる腹痛

インフルエンザウイルスによって胃に炎症が起こると、「キューっと痛む」「キリキリする」などのお腹の痛みが生じます。

特に腹痛が起こりやすいのは、インフルエンザB型子どもの感染です。初期症状としてだけでなく、解熱後に起こるケースも。

ウイルスによる腹痛が考えられる方は

インフルエンザが回復する経過の一つであるため、セルフケアで痛みを和らげて対処するのが良い。

◆ 薬の副作用による腹痛

病院でインフルエンザと診断された場合に処方される抗インフルエンザ薬の副作用として、腹痛が現れる場合があります

薬を飲んでから腹痛が現れた方は、注意しましょう。

薬の副作用による腹痛が考えられる方は

我慢できる程度であればセルフケアで対処しながら服薬を継続。ただし痛みが強い場合は受診した病院に相談のうえ、指示を仰ぐこと。

◆ 感染性胃腸炎の併発による腹痛

多くはありませんが、インフルエンザにかかってからさらに、胃腸炎を引き起こすウイルスや細菌に感染してしまうケースもあります。

かかる可能性があるのは、インフルエンザの流行時期と重なる、ノロウイルスやロタウイルスです

  • 強い腹痛
  • 継続的な下痢
  • 我慢できない吐き気や嘔吐

…といった症状がある場合は、感染性胃腸炎の併発を疑いましょう。

胃腸炎の併発が考えられる方は

併発していればそれに合った治療が必要なので、早めに病院で診察を受けること。

2.インフルエンザで現れる腹痛の対処法

インフルエンザの腹痛は、ウイルスによって胃に炎症が起こるために痛みが生じます。ポイントは、「胃に負担をかけない」「胃周辺の筋緊張を解く」です。

ここでは、

  • 腹痛の対処法
  • 同時に現れやすい下痢の対処法

…の 2 つをご紹介します。

2‐1.腹痛を和らげる対処法

インフルエンザの腹痛には、

  • 食事を控える
  • 胃にやさしい飲み物を摂る
  • 体勢を工夫する
  • 整腸薬を飲む

…といった 4 つの対処法があります。

それぞれについて、具体的な方法をご説明していきます。

◆ 食事を控える

胃は食べ物を消化する働きを担っています。腹痛があるときは胃の負担を軽減するために、通常の食事を 1~2 食控えると良いでしょう

  • 果物のゼリー
  • ゼリー飲料
  • スープや汁物

…といったメニューは、消化しやすく胃への負担が少ないのでおすすめです。

無理に食事を摂らず、痛みがある程度落ち着くまで絶食しても構いません。

◆ 胃にやさしい飲み物を摂る

栄養補給のために、食欲がなくても水分だけは摂るようにしてください

ただし胃への刺激が少ない飲み物にしましょう。

胃にやさしい飲み物

水、麦茶、ほうじ茶、ウーロン茶、スポーツドリンク

控えたほうが良い飲み物

コーヒー、炭酸飲料、牛乳、アルコール

冷たい飲み物は胃を冷やすため、常温かホットで飲むことをおすすめします。

◆ 体勢を工夫する

腹痛があるときは、胃の周囲にある筋肉を伸ばすと痛みが増強します。

お腹周りの筋肉を緩めるために、

  • 膝を曲げる
  • やや前屈する

…といった体勢をとりましょう。

また腹部を締め付けると、緊張が強くなり痛みを強く感じる場合があります。ウエスト周りを紐やゴムで調整できる服装が良いでしょう。

◆ 整腸薬を飲む

インフルエンザで起こる腹痛は、体内のウイルスに対抗するための症状です。そのため、鎮痛剤や下痢止めで抑えるとウイルスに対抗する力が弱まり、かえって症状が悪化することがあります

薬を飲む場合は、お腹の働きを整える、

  • 新ビオフェルミン S 錠(ビオフェルミン製薬)
  • 新ラクトーン A(アサヒグループ食品)

…といった整腸薬が良いでしょう。これらに含まれる乳酸菌によって、正常なお腹の働きを取り戻すのに役立ちます。

2‐2.下痢の症状もあるとき

腹痛と共に現れやすい症状が下痢です。下痢は、体内のウイルスを外に出すための症状なので、トイレを我慢せず出し切ってください

次の方法で、下痢の症状を和らげましょう。

下痢の対処法

・ミネラル入りの経口補水液やスポーツドリンクを飲む
…下痢によって体の水分やミネラルが大量に失われるため

・ごぼうや海藻などの食物繊維は控える
…下痢が悪化するおそれがあるため

・安静にする
…体を動かすと便意を誘発しやすいため

また腹痛と同様に、鎮痛薬や下痢止めで症状を抑えるのは控えてください。

下痢の対処法については、「インフルエンザの止まらない下痢|5つの処置とやってはいけないコト」の記事でも詳しくご紹介します。

3.再受診の目安

インフルエンザで現れる症状は通常、インフルエンザにかかってから 7~10 日間で徐々に落ち着きます。

  • 腹痛や下痢が出始めてから 5 日経過しても治まらない
  • 日に日に症状が悪くなっている

…といった場合は、別のウイルスや細菌に感染している可能性もあります。早めに病院の診察を受けるようにしてください。

4.まとめ

インフルエンザで現れる腹痛について、まとめました。

考えられる要因

・インフルエンザウイルスによるもの
…B 型感染や子どもで現れやすい

・薬の副作用
…薬の服用後に痛みが出る

・感染性胃腸炎の併発
…腹痛や下痢、嘔吐、吐き気が強い


腹痛の対処法

・食事を 1~2 食控える
・胃にやさしい飲み物を摂る
・痛みが和らぐ体勢をとる
・整腸薬を飲む

考えられる原因やそれに合った対処法を参考に、早期回復を目指してください。

◆ 参考文献