「インフルエンザってどうやって感染するの?」
「何に気を付ければ予防になるの?」

…と、インフルエンザが流行しはじめると気になるのが感染予防ではないでしょうか。

インフルエンザは原因となるウイルスが体に入ることで感染しますが、体内に入る経路はいくつかあります。

ここではインフルエンザの感染経路について、

  • 主な感染経路と感染しやすい場面
  • 感染経路別の予防法

…といった内容を中心に、ご説明します。

感染経路をしっかり理解して、より効果的に予防をしましょう。

1.インフルエンザとは

インフルエンザは、インフルエンザウイルスによる感染症です。人から人にうつるため、感染者が出るとそこから流行が広がります。

特に流行するのは、空気が乾燥する 11~3 月。

  • ウイルスが乾燥した環境を好む
  • 鼻や喉の防御機能が低下する

…といった理由から、ほかの時期に比べてかかる人が増えます。

1-1.ウイルスに感染する理由

感染とは、ウイルスが体内に入ることです。

ウイルスが侵入するのは、粘膜のあるといった場所です。ここからウイルスが入り喉の粘膜に達すると、ウイルスが増殖を始めます。

インフルエンザで発熱や寒気、喉の痛みなどのさまざまな症状が現れるのは、こうしたウイルスの増殖に対する反応です。

1-2.人にうつる期間

インフルエンザウイルスが体内に入っても、症状が出始めるのは 1~3 日後。感染してから症状が出るまでを、潜伏期間といいます。

インフルエンザで注意したいのは、潜伏期間中でも人にうつる可能性があること

症状が出ていないため、本人が気を付けることはできません。インフルエンザが流行する要因の一つが、潜伏期間中の感染力にあります。

インフルエンザ,感染経路  感染力がなくなるのは発症から 5 日後

解熱から 2 日、発症から 5 日が経過すれば、他者にうつすおそれがない程度まで体内のウイルス量がなくなったと判断できる。

潜伏期間については、「インフルエンザの潜伏期間|感染の可能性を判断する2つのポイント」の記事で詳しくご紹介しています。こちらもぜひ、ご覧ください。

2.インフルエンザの感染経路

インフルエンザが人から人にうつる経路(ルート)は、

  • 飛沫感染
  • 接触感染
  • 空気感染

…の、3 つがあります。

ここからはそれぞれの経路と、起こりやすいシーンをご紹介します。

2-1.飛沫感染

「飛沫」とは咳やくしゃみのこと。感染者の飛沫に含まれるウイルスを吸い込むことで感染するのが飛沫感染です。

インフルエンザの感染で最も多いといわれています。

ちなみに、一度の咳やくしゃみに含まれるウイルスの数は、

  • …約 10 万個
  • くしゃみ…約 200 万個

…といわれており、その飛距離は 1~2 mにも及ぶそう。

飛沫感染が起こりやすい、次のような場面や行動に注意しましょう。

飛沫感染に多いシーン
  • 咳やくしゃみをしている人がマスクを着けていない
  • 電車やバスの中で咳やくしゃみをしている人がいる
  • 不特定多数が集まる繁華街や駅、商業施設など
  • 学校や会社、病院など多くの人が長時間一緒に過ごす場所

2-2.接触感染

感染者の飛沫によって出たウイルスが、食べ物や物に付着したとき。

ウイルスの付いた食べ物を口にしたり、ウイルスの付いた手で自分の口や鼻、目をこすると感染します。この経路を、接触感染といいます。

飛沫感染の次に起こりやすいのが、この経路による感染です。

接触感染に多いのは、次の場面や行動です。

接触感染に多いシーン
  • 食べ物をシェアする
  • 食器(箸や皿、コップなど)を共用する
  • 手を洗わないで食事をする
  • ハンドタオルやバスタオルを共用する
  • 蓋をせず売られている食品を食べる

これらは普段の生活において起こりやすく、特にお子さんを看病する方は、ウイルスが手につきやすいので注意しましょう。

2-3.空気感染

飛沫によって放出されたウイルスの大半は、地面に落ちて感染力を失います。しかし、なかには水分を飛ばしながら身を軽くして、空気中に漂い続けるウイルスも

このウイルスを吸い込むことを空気感染といいます。

ただし空気感染は、

  • 換気しにくい空間
  • 人が密集した狭い空間

…といった限られた環境でした起こり得ないと考えられており、ほかの2つの経路に比べて感染の可能性はとても低いです。

空気感染が起こる可能性があるのは、次のような場面です。

空気感染が起こりやすい場面
  • 窓や換気扇がない部屋
  • 飛行機やバスの中
  • 病院などの集団施設

3.感染を防ぐ方法

ここからは、インフルエンザに感染しないための予防策を、

  • 感染経路別の対策
  • 強い体をつくる方法

…の、2 つに分けてご紹介します。

インフルエンザの予防法全般については、「インフルエンザ予防9選|感染せずに冬を乗りきる効果的な対策」でも詳しくご紹介しています。こちらもぜひ、参考にしてみてください。

3-1.感染経路別の対策

インフルエンザを予防する方法はさまざまありますが、それらがどの感染経路に対するものかが意識できれば、予防率はぐっと高くなります。

では 3 つの感染経路別に、予防方法をご紹介します。

◆ 飛沫感染予防

ポイントは飛沫を吸い込まないようにすることです。

ウイルスの侵入口である鼻と口をガードできる「マスク」を着用しましょう

  • サイズの合ったものを選ぶ
  • 隙間がないよう顔に密着させる

…といったことで、より高い予防効果が期待できます。

特に繁華街や駅などの人混みは、不特定多数の飛沫が飛び交うおそれがあるため、必ずマスクを着けるようにしてください。

インフルエンザ予防に効果的なマスクについては、「インフルエンザを予防するマスク|効果をぐんと上げる4つのポイント」の記事も、ぜひ読んでみてください。

◆ 接触感染予防

ウイルスが付着する可能性が高いのが手です。そのため、ウイルスを取り除く、感染力をなくす(不活化させる)といった方法で、対処しましょう。

接触感染の予防策

・手洗い
…石けんを使って 15 秒以上洗う
…帰宅時、食事前、調理前は必ず行う

・除去と消毒
…だれかが触れた物は除去あるいは消毒してから使う
…市販の除菌シートや消毒スプレーを活用する

◆ 空気感染予防

空気感染は、ウイルスが生存しやすい環境を作らないことが大切です。

室内は、

  • 湿度を 50~60 %に保つ
  • 1 時間に 1 回を目安に換気する

…といったことを心がけてください。

3-2.体を強くする方法

感染経路を断つこと以外にも、インフルエンザを予防する方法があります。それは体を強くすることです。

ウイルスに対抗する体の免疫力を維持することで、

  • 鼻や喉の防御機能を高める
  • ウイルスが体内に入ったときの抵抗力を高める

…といった効果が期待できます。

次のことを意識して、免疫力の低下を防ぎましょう。

強い体をつくる方法

・粘膜を強くする食材をとる
…納豆やオクラなどのネバネバ食品
…緑黄色野菜に含まれるベータカロテン

・十分な睡眠
…1 日 7 時間を目安に
…夜更かしせず 0 時までに就寝する

・適度な運動
…できるだけ階段を使う
…1 駅分歩いてみる

こうした方法は、インフルエンザだけでなく風邪やさまざまな病気の予防にも役立ちます。ぜひ、習慣にしてみてください。

4.まとめ

インフルエンザの感染経路について、まとめました。

飛沫感染

【原因】
…感染者の咳やくしゃみに含まれるウイルスを吸い込む

【予防法】
…マスクの着用、人混みを避ける


接触感染

【原因】
…ウイルスが付着した食べ物や物を介して体にウイルスが入る

【予防法】
食事や物を共用しない、ウイルス除去・消毒グッズの活用


空気感染

【原因】
…空気中に漂うウイルスを吸い込む

【予防法】
…室内の加湿と換気

生活環境や行動シーンに合わせて、ご紹介した予防法を取り入れてみてください。正しい対策をとって、流行シーズンを乗り切りましょう。

◆ 参考文献