「インフルエンザであまり食欲がない…」
「何を食べたら早く良くなるの?」

高熱で食欲がなくなったり、喉の痛みで食べ物もろくに喉を通らなかったりするインフルエンザ。早く回復させるために「何を食べればよいのか」困っていませんか?

ここでは、インフルエンザで療養中の「食事」について、

  • インフルエンザの回復に効く食べ物
  • 症状別のおすすめメニュー
  • 控えた方が良い食べ物・飲み物

…といったものを、具体的な食材やメニューを挙げながらご紹介します。少しでも早く回復に向かうように、ぜひ参考にしてください。

1. インフルエンザを早く治す 2 つのポイント

インフルエンザは、インフルエンザウイルスが増殖することで発症し、38 ℃以上の高熱や倦怠感などの全身症状が現れます。

そのため体内のウイルス量が減少すれば、症状が治まり回復に向かいます。

回復を早めるためには主に、

  • 抗インフルエンザ薬を服用する
  • 免疫力を高める

…といった 2 つの方法があります

1-1.抗インフルエンザ薬を服用する

抗インフルエンザ薬とは、タミフルやイナビルといった病院で処方されるインフルエンザの治療薬のことです。

ウイルスの増殖を抑える働きがあり、服用することで回復までにかかる日数を約 1~2 日、短縮することができます

インフルエンザ,食べ物  抗インフルエンザ薬は発症 2 日以内に服用すると効果的

薬は、体内のウイルスが減少し始めてから服用しても効果が薄い。ウイルス量のピークを迎える前(発症から 48 時間以内)の服用が効果的。

ただし抗インフルエンザ薬だけでは、根本的にインフルエンザを治すことはできません。

ウイルス量を減少させてインフルエンザを治すのは、体に備わっている免疫機能(免疫力)です。

1-2.免疫力を高める

インフルエンザを治すには、ウイルスを減少させる免疫力が必要不可欠です。免疫力が低下している状態にある療養中は、免疫力を高めることを意識しましょう。

療養中において免疫力を高める一番の方法は、「食事」です

食べ物に含まれる栄養素には、免疫細胞の活性化や免疫機能を調えるのに役立つものがたくさんあります。

回復に働く食べ物を取り入れ、インフルエンザを早く治しましょう。

インフルエンザ,食べ物  体温を下げないことも免疫力を保つコツ

体温が 1 ℃ 下がると、免疫力は約 30 %低下するといわれている。体を冷やさないことも免疫力の維持につながる。

2.インフルエンザの回復に効く食べ物 10 選

インフルエンザの療養中は、免疫力を高める栄養を摂ることが大切です。特に以下の 3 つの栄養作用に注目しましょう。

  • 抗酸化作用
     
    …免疫の働きを悪くする活性酸素の発生を抑える
      成分:ビタミンC、ポリフェノール
     
  • 抗ウイルス作用
     
    …ウイルスの繁殖を抑える
      成分:アリシン、クエン酸、カテキン
     
  • 体を強くするもの
     
    …免疫細胞のもとになる
      成分:たんぱく質、ムチン

…これらの成分を豊富に含む 10 個の食材をご紹介します。

記事の後半では、インフルエンザの療養中に現れる症状別のおすすめメニューを紹介しています。先に見たい方は「4.症状別 おすすめメニュー」からチェックしてくださいね。

① キャベツ

キャベツには抗酸化作用のあるビタミンCが豊富に含まれるため、免疫機能を整えるのに役立ちます。

特に多く含まれるのは、緑色が濃い外側の葉です。

ビタミンCは水に溶けやすいので、湯で汁も一緒に食べられるスープや鍋料理に加えると効果的に摂取することができます

② たまねぎ・ねぎ

たまねぎやねぎなど鼻にツンとくる野菜は、抗ウイルス作用をもつアリシンを豊富に含みます。

水に溶けやすい成分なので、湯で汁も一緒に食べられる

  • 汁物
  • うどん
  • 鍋物

…などに入れるのが良いでしょう。

③ りんご

りんごには、高い抗酸化作用のあるポリフェノールが豊富に含まれています。

ポリフェノールは消失しやすい成分なので、療養中は「1 日 1 回りんごをメニューに加える」など、継続して摂ると良いでしょう。

食欲がないときは、すりおろして食べるのがおすすめです。さっぱりした口当たりで気持ち悪さを軽減できます。

④ レモン

レモンに多く含まれるビタミンCは、活性酸素の発生を抑えるのに働きます。

ビタミンCは果汁にも豊富に含まれているので、

  • ゼリー
  • ビタミンC 飲料
  • ヨーグルト+レモン汁

…などで取り入れることをおすすめします。

⑤ 豚肉

豚肉は、免疫細胞のもとになるたんぱく質を多く含みます。

焼き料理はあぶらっこくなり消化しづらいので、煮物や蒸して調理するのが良いでしょう。

鍋料理やうどんに入れると消化しやすく体も温まるのでおすすめです。特に体力の消耗が大きい解熱後や、療養の後半に適した食材です。 

⑥ 卵

卵には、免疫細胞のもとになるたんぱく質が豊富に含まれています。

特に白身には、ウイルスや細菌を溶かす働きのある酵素が含まれているため、療養時にぴったりの食材。

柔らかい状態で食べられる卵がゆや卵スープは、胃への負担が少ないのでおすすめです

⑦ 納豆

納豆に含まれるムチンには、鼻や口の粘膜を強くする働きがあります。

喉の痛みや咳、鼻水などは鼻や喉の乾燥によって悪化しやすいので、納豆を食べることで症状の緩和が期待できます。

ムチンはネバネバした食材に豊富に含まれます。オクラや山芋なども加えるとさらに良いでしょう

⑧ にんにく

にんにくに含まれるアリシンには、抗ウイルス作用があります。

特にすりおろすと効果的に成分を摂取できるので、

  • スープ
  • 鍋料理
  • ソース

…などに加えるのがおすすめです。

⑨ 梅干し

梅干しには、抗ウイルス作用をもつクエン酸が豊富に含まれています。

梅干しの成分にインフルエンザウイルスの抑制効果が実証された研究結果があるなど、医学的効果も期待されています。

加熱しても成分が失われないので、おかゆやうどんなど温かいメニューに加えるのがおすすめです

⑩ お茶

お茶には、抗酸化作用と抗ウイルス作用のある成分が含まれています。

ただし、緑茶や紅茶は体内の水分を奪うカフェインの含有量が多いので、

  • ほうじ茶
  • ルイボスティー
  • ローズヒップティー

…などの種類のお茶が良いでしょう。

3.体を休めるのに効果的な飲み物

療養中は食欲不振や脱水になりやすいため、飲み物で効率良く栄養を補うことが大切です。

発熱による汗で体内の水分だけでなくミネラルも大量に失うため、塩分やカリウムなどの成分を含む飲み物を摂りましょう
※ 汗には水分の他にナトリウム(塩分)やカリウム、マグネシウムなどのミネラルが含まれる。

療養時に不足しやすい栄養分が含まれている、

  • スポーツドリンク
  • 経口補水液
  • 野菜ジュースや果物ジュース

…といったものがおすすめです。

スポーツドリンクや経口補水液は、以下の商品を参考に選んでみてください。

・経口補水液
…オーエスワン(大塚製薬)
…アクアソリタ(味の素)
…アクアサポート(明治) など

・スポーツドリンク
…ポカリスエット(大塚製薬)
…アクエリアス(コカ・コーラ)
…DA-KA-RA(サントリー) など

スポーツドリンクは経口補水液に比べて糖分が多くミネラルが少ないので、「ひとつまみの塩」を加え、水で 3 倍の濃度に薄めるのがおすすめです。

4.症状別 おすすめメニュー

栄養を摂るために無理に食べると症状が悪化することもあります。体の状態に合わせた食事の工夫をしましょう。

インフルエンザの経過と症状

◆ 発症~解熱
… 3~5 日間

◆ 症状がなくなる~回復
… 3~5 日間

◆ 現れる症状
・全身症状
 
…発熱、寒気、倦怠感、関節痛・筋肉痛、頭痛、食欲不振
・呼吸器症状
 
…喉の痛み、咳、鼻水
・消化器症状
 
…腹痛、下痢、吐き気、嘔吐

これらの症状の経過別に適した食事を解説します。

4-1.発熱、食欲不振、下痢・腹痛

インフルエンザにかかって 3~5 日間は、

  • 発熱
  • 食欲不振
  • 下痢・腹痛などの消化器症状

…といった症状が現れやすい時期です。

この時期は、食事面で以下のことを意識しましょう。

療養前半の食事のコツ
  1. 無理に食事を摂らなくても OK
  2. ミネラルや糖分を含んだ飲み物で水分と栄養を補う
  3. 食事は胃の負担とならないものを選ぶ

では、現れやすい 3 つの症状別のおすすめメニューをご紹介します。

① 発熱しているとき

発熱は体がウイルスと闘っている証です。発熱時は汗をかきやすく多くの水分を失うため、脱水に注意しましょう。

発熱時のおすすめメニュー

・ミネラルを含む飲み物
…汗でミネラルが失われるので、スポーツドリンクや経口補水液が良い。味噌汁もおすすめ。

・おかゆやうどん
…エネルギーを消耗する発熱時は、胃の負担を軽減する消化しやすいメニューを。梅干しや卵を入れると回復に働く。

・ゼリーやプリン
…エネルギー源となる糖分を摂ると良い。特にりんごやレモンのゼリーは回復に役立つ栄養分が豊富。

② 食欲がないとき

消化不良を起こすおそれがあるので、食欲がなければ無理に食べる必要はありません

ただし脱水や栄養不足にならないよう、継続的に飲み物を摂取しましょう。

食欲がないときのおすすめメニュー

・野菜や果物のジュース
…回復に役立つビタミン類を摂取できる。

・すりおろしたりんご
…ほどよい酸味が気持ち悪さを和らげ、抗酸化作用のあるポリフェノールを摂取できる。

・フルーツ缶の汁
…糖分とビタミンが凝縮されており、効果的に必要な栄養が摂取できる。

下痢・腹痛などの消化器症状があるとき

おなかを下しているときは、多量の水分とミネラルが排出されます。そのためミネラルを含む水分摂取が必須です

消化器症状があるときのおすすめメニュー

・ミネラルを含む飲み物
…スポーツドリンクや経口補水液、味噌汁などはミネラルと水分が同時に摂れるのでおすすめ。

・スープやうどん
…冷たいものは胃腸の働きを悪くするため、食事は温かく消化の良いものを。

飲み物は冷やさず常温で飲みましょう。常温のほうが体内の吸収率が高く、おなかの冷え予防にもなります。

4-2.解熱、症状が治りかけているとき

インフルエンザの療養後半は、

  • 熱が下がる
  • 症状が落ち着く

…といった 2 つの経過をたどります。

この時期の食事では、2 つのポイントを意識しましょう。

療養後半の食事のコツ

1.徐々に通常食に戻す
2.肉や魚、卵などからたんぱく質を摂る

では、経過別のおすすめメニューをご紹介します。

① 熱が下がったとき

発熱で大量の水分を消費しているので、意識的に水分を摂りましょう。

また食欲があれば、通常食に戻しても良いタイミングです。消化しやすい柔らかいメニューを選びましょう

熱が下がったときのおすすめメニュー

・ミネラルを含んだ飲み物
…解熱後に不足している水分とミネラルを補うことができる。

・雑炊・おじや
…肉や魚、卵などのたんぱく質を加えると良い。回復に役立つにんにくや生姜をプラスするとさらに良い。

② 症状が治りかけているとき

これまでの症状の経過による消耗で、体力が低下しています。食事は、体の回復を助けるたんぱく質を中心に摂りましょう

症状が治まったときのおすすめメニュー

・鍋料理
…野菜や肉など、様々な食材に含まれる栄養素をまとめて摂れる。抗ウイルス作用のあるにんにくをプラスすると良い。

・甘いもの
…特にプリンは口当たりがよく、エネルギー源になる糖分が効率的に摂れる。

5.療養中は控えるべきもの

症状の悪化を招くおそれがあるため、

  • 胃に負担をかけるもの
  • 消化しづらいもの
  • 体を冷やすもの

…などは、極力控えましょう。

控えるべき食べ物

・生野菜のサラダ
…消化に時間がかかり胃に負担をかける。

焼き魚、肉のグリル
…あぶらっこく消化しづらい。

揚げ物
…消化しづらく胃に負担をかける。

ハンバーガー・ピザ
…パンは消化しづらく、全体的にあぶらっこい。

カップ麺
…麺は消化に時間がかかる。


控えるべき飲み物

カフェイン飲料
…コーヒーなどは吸収される際に水分を奪うため、脱水を誘発する。

炭酸飲料
…下痢や嘔吐があるときは刺激が強く、症状を悪化させやすい。

冷たい飲み物
…体を内側から冷やし、下痢や腹痛の原因になる。

また、水だけを大量に飲むのも良くありません。塩分や糖分を補わず水だけを大量に飲むと、かえって体調を悪化させるおそれがあります。

6.予防に効く食べ物

普段から免疫力を維持することで、インフルエンザにかかりにくい体を作ることができます。

予防に効果的な、

  • ビタミンC…乾燥対策や喉のいがらっぽさを改善する
  • ベータカロテン…鼻や喉の粘膜を強くする
  • ビタミンD…免疫機能のバランスを整える
  • 乳酸菌…腸内環境を良好にする

…といった栄養素を、普段の食事に取り入れましょう。それぞれの成分が豊富に含まれる食べ物をご紹介します。

インフルエンザ予防に効く食べ物

◆ ビタミンC
…キャベツ、みかん、キウイ など

◆ ベータカロテン
…にんじん、ほうれん草、かぼちゃ など

◆ ビタミンD
…魚、肉、乾燥きぐらげ など

◆ 乳酸菌
…ヨーグルト、味噌、漬け物 など

ヨーグルトについては、予防におすすめの 8 選を「インフルエンザを予防するヨーグルト8選|体に合った乳酸菌の選び方」でご紹介しています。

7.まとめ

ここまでご紹介した、インフルエンザの回復に役立つ食べ物をまとめました。

療養中に摂るべき食べ物 10 選

1.キャベツ
2.たまねぎ・ねぎ
3.りんご
4.レモン
5.豚肉
6.卵
7.納豆
8.にんにく
9.梅干し
10. お茶


療養中の食事のコツ

1.発熱~解熱直後は脱水を起こしやすいのでミネラル入りの水分を摂る
2.胃に負担かけず消化しやすいメニューを選ぶ
3.解熱後は体の回復を助けるたんぱく質を摂る

ご紹介した食べ物は、風邪予防や体が疲れているときにも役立ちます。ぜひ毎日の食事に取り入れてみてください。

◆ 参考文献

  • 河合直樹編著:よくわかるインフルエンザのすべて,医薬ジャーナル社,2013.
  • 中屋豊:図解入門 よくわかる栄養学の基本としくみ〈メディカルサイエンスシリーズ〉,秀和システム,2009.
  • 関口恵子,北川さなえ編:根拠がわかる症状別看護過程〈こころとからだの 69 症状 事例展開と関連図〉,改訂第 3 版,南江堂,2016.
  • 王瑞雲:いさというとき、すぐ役に立つ 病気とけが 手当のきほん おさらい帖;鼻血の止め方からがん予防のポイントまで,小学館,2007.
  • 紀州梅効能研究会 HP「インフルエンザ予防;インフルエンザウイルスに効果を示す新規成分発見」