インフルエンザは高熱が出るというイメージを持っている方は多いはず。

ただ、必ずしもそうだとは限りません。

「高熱というほど熱は出ていない」
「すぐに熱が下がった」

…といった場合でも、インフルエンザの可能性があります。

ここでは、高熱が出ないインフルエンザについて、

  • 考えられる要因
  • 発熱以外に見分けるポイント
  • 正しい検査のタイミング

…を中心に、ご紹介します。

自己対処では回復が遅れることもあります。インフルエンザかどうか正しく判断して、適切な治療を受けましょう。

1.インフルエンザと発熱

インフルエンザは、インフルエンザウイルスが原因となる感染症で、毎年 11~3 月にかけて流行します

感染すると高熱が出る…というのが、多くの方がイメージするインフルエンザの症状ではないでしょうか。

インフルエンザでは、一般的に次のような症状が現れます。

インフルエンザの症状

◆ 全身症状
…38 ℃以上の発熱、寒気、倦怠感、筋肉痛・関節痛、頭痛

◆ 呼吸器症状
…咳、喉の痛み、鼻水

◆ 消化器症状
…腹痛、下痢、吐き気、嘔吐

通常は、寒気や体のダルさと共に一気に熱が上がり、解熱までに 3~5 日かかります

感染症で熱が出るのは、体内に入ったウイルスを抑え込むための体の反応です。特にインフルエンザウイルスは体内に入ると急激に増殖する傾向があるため、それに対抗するため高い熱が出ます。

ただ注意したいのは、インフルエンザでも年齢や体質、予防接種などが影響して、高熱が出ないケースが多くある、ということ。今回は、インフルエンザでも高熱が出ないケースをご紹介します。

2.高熱が出ないインフルエンザ

ここからは、インフルエンザに感染しても高熱が出ないときに考えられる要因や、発熱以外でインフルエンザを見分けるポイントをご紹介します。

2-1.高熱が出ないインフルエンザの要因

高熱が出ないインフルエンザで考えられる要因は、主に4 つあります。

  • 予防接種を受けている
  • 高齢である
  • 市販薬を飲んだ
  • インフルエンザ B 型に感染している

…それぞれについて、なぜ高熱が出ないかを簡単にご説明します。

◆ 予防接種を受けている

インフルエンザの予防接種には、かかっても重症化を抑える効果があります。それによって、発熱が抑えられることも。

37 ℃台の微熱が続いているとすれば、予防接種による影響が考えられます。

インフルエンザの予防接種については、「インフルエンザの予防接種|6つの疑問と接種後の注意点を全解説」の記事もご覧ください。

◆ 高齢である

体が熱を上げるためには、ある程度の体力が必要です。特に 65 歳以上の高齢の方は、体の衰えによって筋力や免疫力が低下しがち。そのため発熱する力が不足しているせいで、高熱が出ていないと考えられます

◆ 市販薬を飲んだ

市販の風邪薬や解熱薬には、熱を下げる成分が含まれています。体調の異変を感じて、すぐにこうした市販薬を飲んだ場合、発熱を抑えてしまうことがあります

市販薬を飲んだ方で、37 ℃台の微熱が続いたり、すぐ熱が下がったりした場合は、この原因が考えられます。

インフルエンザのときに飲む解熱剤については、「インフルエンザの解熱剤|間違いない選び方とOK&NGな市販薬一覧」で詳しくご紹介しています。

◆ インフルエンザ B 型に感染している

春先にかけて感染者が増えるのが B 型。症状が重く出る A 型に比べると、B 型は症状が比較的軽く、高熱が出ないケースもあるようです

また、一旦熱が下がっても再び発熱する「二峰性(にほうせい)発熱」が起こりやすいのも B 型の特徴です。

インフルエンザ,熱  熱がぶり返す「二峰性発熱」

一旦熱が下がっても 24 時間以降に再び発熱すること。インフルエンザでは、B 型に感染した場合や子どもに起こりやすいことが分かっている。

熱がそれほど高くない、または熱をぶり返した場合には、この要因が考えられます。

インフルエンザ B 型のさらに詳しい特徴や対処法は、「はじめてのインフルエンザB型ガイド|特徴的な2大症状と対処法」の記事で、ご紹介しています。

2-2.発熱以外でインフルエンザを疑うポイント

ここからは、発熱以外でインフルエンザを疑うポイントをご紹介します。

高熱が出ていなくても感染の可能性があるのは、

  • 体のふしぶしに痛みがある
  • 急に体調が悪くなった
  • 周囲に感染者がいる

…といった場合です。それぞれの特徴や、風邪との違いをご説明します。

◆ 体の痛みの有無

インフルエンザで現れる特徴的な症状の一つが、体のふしぶしの痛みです。こうした体の痛みは、風邪では現れない症状。

  • 関節の周囲がズキズキ、ジンジンと痛む
  • ぶつけたり激しい運動をしたりしていないのに筋肉痛のような痛みがある

…などの場合は、インフルエンザを疑いましょう。

◆ 体調不良の始まり方

発熱を含む今回の体調不良は、どのように始まりましたか?

数日かけて徐々にひどくなったのではなく急に悪化した場合は、インフルエンザの可能性があります。

普通の風邪では鼻水や喉の痛みが徐々にひどくなるのに対して、インフルエンザは寒気や倦怠感、体の痛みなどの全身症状が前触れなく現れるからです。

◆ 周囲の流行状況

インフルエンザは人から人にうつる感染症です。会社や学校、家庭などで流行している場合、感染する可能性は高くなります。

  • 周囲にインフルエンザにかかった人がいる
  • 繁華街などの人混みに出かけた
  • インフルエンザが流行している地域に出かけた

…といった場合は、感染している可能性が高まります。

インフルエンザ,熱  脈が早くなることも

発熱していなくても脈が早いとインフルエンザの可能性がある。大人の場合、脈拍の平均は 1 分間で 60~100 回程度。
※ 女性や高齢者、子どもはやや多い傾向にある。

3.発熱の対処法

高熱でなくても、熱があるのはつらいもの。ここからは、発熱時のセルフケアをご紹介します。病院に行くまでの対処や、受診後の療養にお役立てください。

◆ 寒気があるとき

熱があっても、寒気があるときは体を冷やさないようにしましょう。冷やすタイミングを誤ると、症状が長引きやすいからです。

肌着や毛布を 1 枚増やすなどして体を温める
・飲み物は常温またはホットにする
・スープや鍋など温かい料理を選ぶ

…といった方法で、体を温めるようにしてください。

◆ 寒気が治まってから

寒気がなくなり、暑さを感じたり汗をかき始めたりしたら、熱が上がり切ったサインです。ここからは、体を冷やして自然な解熱を促しましょう。

首や脇の下を氷枕で冷やす
・ほてりが強い場合はおでこや後頭部も冷やす
・ミネラル入りの飲み物を喉の渇きに合わせて飲む

…といった方法が効果的です。

4.検査と受診のタイミング

ご紹介した症状や特徴からインフルエンザが疑われる場合は、体調が悪くなってから半日~2 日の間に病院に行くことをおすすめします

このように受診のタイミングが重要なのは、発症からの時間によって検査の正確性や治療薬の効き目が変わるためです。

  • 発熱や熱っぽさ
  • 強い寒気
  • 体のダルさ
  • 体のふしぶしの痛み

…といった症状を、発症の目安にしてください。

インフルエンザ,熱  検査は発熱の有無に関わらず受けられる

インフルエンザ検査は、熱の有無や体温に関わらず受けることができる。ただし発症間もない場合は、判定に必要なウイルス量に満たないため、受けられない場合もある。

病院に行くケース別のタイミングを、「インフルエンザで病院に行く正しいタイミングと簡単な病院の探し方」の記事でご紹介しています。こちらもぜひ、ご覧ください。

5.まとめ

高熱が出ないインフルエンザについて、まとめました。

考えられる要因
  • 予防接種を受けた
  • 高齢である
  • 市販薬を飲んだ
  • B 型に感染した

発熱以外の見分け方
  • 体の痛みがある
  • 体調不良が急に現れた
  • 周囲に感染した人がいる

受診のタイミング

発熱の有無や程度にかかわらず発症から 12~48 時間

インフルエンザの流行時期は、高熱ではないから…と軽視しないことが大切です。

少しでも感染の可能性があれば、病院に行くことをおすすめします。適切な治療を受けることで、早い回復につながります。

◆ 参考文献