最初はただの風邪かな?と思っていたのに、

「我慢できないくらい寒気がする」
「熱を測ったら 38 ℃以上もある」

…など、あまりに症状が重いと気になるのが、この時期に流行しているインフルエンザですよね。

風邪とインフルエンザでは症状が似ているため、正しい知識がなければ判別できないことがあります。

そこでこの記事では、

  • 風邪とインフルエンザの見分け方
  • 受診のタイミングと検査・治療薬の違い
  • 効果的な自宅療養のポイント

…をご紹介します。ご自身の症状を見わけるのにぜひ、お役立てください。

1.風邪とインフルエンザ

風邪とインフルエンザはどちらも感染症ですが、原因となるウイルスが異なります

そのためインフルエンザは、風邪に比べて全身に重い症状が現れるのが特徴です

風邪とインフルエンザの特徴

◆ 風邪
…原因は主にウイルスで、その種類は 200 以上
…流行時期は通年
…子どもがかかりやすく、年齢とともに感染頻度は低下する

◆ インフルエンザ
…原因はインフルエンザウイルス
…毎年、11~3 月の春先まで流行する
…10 歳未満が患者の約半数を占める

風邪は、ひきはじめに適切な対処をすれば 2~3 日で治ることもあります。ただしこじらせてしまうと治るまでに 1 週間ほどかかる場合も。

一方インフルエンザは、回復まで平均して 7~10 日を要します。

2.風邪とインフルエンザを見分ける方法

ここからはそれぞれの特徴を挙げて、風邪とインフルエンザを見分ける方法をご説明します。

2-1.初期症状の違い

風邪とインフルエンザの最も大きな違いは、最初に感じる体の異変(初期症状)です。今回の体調不良が『どのように始まったか』に注目してみてください。

初期症状で現れる、2 つの違いをご紹介します。

◆ 主な初期症状

・ 風邪
…くしゃみや鼻水、喉の痛み

・ インフルエンザ
…発熱、寒気、倦怠感、筋肉痛・関節痛

風邪の初期症状は鼻や喉の「部分的な症状」ですが、インフルエンザでは「全身的な症状」が現れます。

◆ 症状の現れ方

・ 風邪
…軽い症状から緩やかに始まる

・ インフルエンザ
…突然、激しい症状が現れる

風邪の場合は「風邪をひいたかな?」と疑う軽い症状が出始め、徐々にひどくなります。一方インフルエンザは、何の前触れもなく急に体調が悪化して発症します。

発熱の程度にも違いがあります。風邪の発熱はあっても 37 ℃台ですが、インフルエンザでは通常 38 ℃以上の高熱です。

2-2.そのほかの症状の違い

最も判別しやすいのは初期症状ですが、ほかの症状にも違いがあります。

◆ 風邪とインフルエンザの症状の違い

  • インフルエンザ,風邪
    医療相談ドットコム編集部

これらの症状は、初期症状に比べると明確な違いが現れにくく、一致しないケースもあります。自己判断が難しい場合は、病院で診察を受けてください。

インフルエンザの症状については「症状からインフルエンザを判断する方法と今すぐできるセルフケア3選」の記事で詳しくご紹介しています。

2-3.セルフチェック 4 項目

これまでの情報だけで判別ができないときのために、インフルエンザの自己診断リストを作成しました。

当てはまる項目が多いほど、インフルエンザの可能性が高いと判断してみてください

インフルエンザのセルフチェック

□ 急激に発症した

強い全身症状がある

高熱がある

地域で流行している

地域での流行は、各都道府県から発令されるインフルエンザの「注意報」や「警報」でも把握できます。

NIID 国立感染症研究所 HP」で都道府県別の流行状況が確認できますので、参考にしてみてください。

インフルエンザ,風邪  予防接種を受けていてもインフルエンザにかかることも

インフルエンザワクチンによる予防効果は 100 %ではない。接種によって発症を防ぐことよりも、かかった際の重症化を防ぐ効果のほうが期待されているため。

3.風邪とインフルエンザの治療

インフルエンザは風邪より重い症状が現れ、治癒までに時間がかかります。

そのため風邪とインフルエンザでは、受診のタイミングや治療法などが異なります

3-1.受診のタイミングと検査、治療薬

ここからは、風邪とインフルエンザの、

  • 受診のタイミング
  • 検査と治療
  • 市販薬の使用

…について、それぞれの違いをご紹介します。

◆ 受診のタイミング

・風邪
…市販薬を含む自己対処で 3~4 日経過しても回復しないとき

・インフルエンザ
…発熱などの症状が出て半日~2 日以内

風邪やインフルエンザの場合、診療科は、

  • 内科
  • 呼吸器内科
  • 耳鼻咽喉科
  • 小児科

…を受診しましょう。妊娠している方は、ほかの妊婦への感染を防ぐため産婦人科を受診しないようにしてください。
※ 紹介状をもらうなどして内科や耳鼻咽喉科を受診する。

インフルエンザ,風邪  インフルエンザは受診のタイミングが重要

インフルエンザの検査は発症後 12~24 時間であると正しい結果が出やすい。また抗インフルエンザ薬は発症後 2 日以内の服用が有効とされている。
そのため、発症から半日以上経っているのであれば、できるだけ早くに受診するのが良い。

◆ 検査と治療

・風邪
…検査なし
…症状を緩和する処方薬で治療する

・インフルエンザ
…検査あり
…抗インフルエンザ薬と症状に合わせた薬で治療する

インフルエンザの場合は、検査で「陽性(感染している)」と結果が出ると、タミフルやイナビルといった抗インフルエンザ薬が処方されます。

抗インフルエンザ薬にはウイルスの増殖を抑える働きがあり、回復までの期間を 1~2 日短縮できるメリットがあります

◆ 市販薬

・風邪
…症状による苦痛が強ければ服用する

・インフルエンザ
…安易に服用しない方が安全

インフルエンザの場合、解熱剤や風邪薬に含まれる一部の解熱鎮痛成分は、合併症を起こしている場合にかえって悪化させるおそれがあるため、安易に使用しない方が良いとされています。

風邪でも高熱が出ている場合は、市販薬の使用は控えた方が安心でしょう。

市販薬の目的は、症状を緩和させて体力を保ち回復をサポートすることです。

  • 仕事や家事などで症状を抑える必要がある
  • 症状による苦痛が強い

…場合に使用しましょう。

インフルエンザや高熱時に飲む市販薬については、後日詳しい記事を公開予定です。

インフルエンザ,風邪  処方薬と市販薬の違い

◆ 処方薬
…効果が高く副作用にも注意が必要だが、個々の症状に合わせて医師が適切な処方量を調整してくれる。

◆ 市販薬
…処方薬に比べて作用は弱いが、副作用も少ない。多くの人が安全に服用できる成分や服用量に調整されている。

3-2.自宅療養時の過ごし方

風邪もインフルエンザも、早く治すためのセルフケアには共通点があります。

最終的に治癒させるのは、体に備わっている「免疫力」です。自宅療養では、

  • 体温維持
  • 食事・水分補給

…といったことで、免疫力を保つあるいは高めることを意識しましょう

インフルエンザ,風邪  療養中は十分な睡眠と安静が大切

普段の睡眠時間は 7 時間程度がベストだとされていますが、体が弱っている療養時はできるかぎり安静にしてベッドの上で過ごすようにしましょう。

では、具体的な方法をご紹介します。

◆ 体温維持

① 体を温める

寒気があるときには重ね着、毛布、湯たんぽなどを用いてとにかく体を温めましょう。ただし熱が上がりきって暑く感じ始めたら、無理に保温せず体の熱を逃してください。

② 室温・湿度に注意する

暖房や加湿器を用いて「室温 20 ℃、湿度 50 %」を目安に調整しましょう。室内のウイルスを逃がすために、こまめな換気も大切です。

◆ 食事・水分補給

① 水分摂取

常温の経口補水液またはスポーツドリンクを飲みましょう。水分だけでなく汗で失われるミネラルも補うことができます。

スポーツドリンクは塩をひとつまみ入れ、水で 3 倍に薄めて飲むと良いでしょう。

② 消化の良い食事

おかゆやスープ、煮込んだ野菜など消化に良いものがおすすめです。胃への負担が少なく体力維持に役立ちます。

全く食欲がなければ無理に食べようとせず、一時的に水分のみで過ごしても良いでしょう。

インフルエンザで療養中の食事については、「インフルエンザの回復に効く食べ物10選|症状別メニューとNG食材」で詳しく紹介しています。こちらもぜひ、参考にしてみてください。

4.まとめ

インフルエンザと風邪を見分けるには「初期症状」の違いに注目しましょう。

◆ 風邪
・くしゃみや鼻水、喉の痛みなど、部分的な症状が現れる
・軽い症状から緩やかに始まる


◆ インフルエンザ
・発熱、寒気、倦怠感、関節痛などの強い全身症状が現れる
・突然、激しい症状が現れる

ご紹介した症状やセルフチェックからインフルエンザの可能性が高いと予測される場合には、近くの医療機関を受診しましょう。

一日も早く健やかな生活を取り戻してください。

◆ 参考文献

・河合直樹編著:よくわかるインフルエンザのすべて,医薬ジャーナル社,2013.
・泉孝英,長井苑子編:医療者のためのインフルエンザの知識,医学書院,2005.
・山本舜悟:かぜ診療マニュアル―かぜとかぜにみえる重症疾患の見わけ方,日本医事新報社,2013年.
・岸田直樹:誰も教えてくれなかった「風邪」の診かた 重篤な疾患を見極める!, 医学書院,2012年.
・山田直毅,高田暁:室内温熱環境が喉の乾燥感にもたらす影響に関する被験者実験,神戸大学大学院工学研究科,2013年.
厚生労働省 HP「インフルエンザ Q&A」
首相官邸 HP「(季節性)インフルエンザ対策」
サワイ健康推進課 HP「体温を上げて 免疫力アップ〈カラダの豆辞典〉」