インフルエンザは高熱や寒気などの重い症状が現れ、回復には 7~10 日ほどの自宅療養が必要になります。

そういったとき、

「お風呂に入っても良いの?」
「何日経ったら入浴できる?」

…など、入浴はどうすべきか迷う方も多いでしょう。ここでは、インフルエンザ時の入浴について、

  • 入浴 OK かどうかを判断する 3 つの基準
  • お風呂に入る場合の 7 つの注意点

…を中心にご紹介します。入浴によって症状を悪化させることなく、体の清潔を保つためにぜひ参考にしてください。

1.インフルエンザとは

インフルエンザでは、38 ℃以上の高熱や強い寒気、体のふしぶしの痛みなど全身に重い症状が現れます。

  • 発熱から解熱 … 3~5 日間
  • 解熱から回復 … 3~5 日間

…といった経過をたどり、快方に向かいます。

特に発症から 3 日間ほどは症状が強く出る期間で、発熱が激しいときには起き上がるのもつらい状態になることが多いです。

しかし、体調次第ではインフルエンザでも入浴はできます。ただし体温や症状の度合いを考慮して控えた方が良い場合もあるので、次はその判断基準や注意点をご説明します。

2.インフルエンザ時の入浴

昔から「風邪のときのお風呂は絶対にダメ」と聞くことがありますが、これは『お風呂=銭湯』であった時代の話です。当時は、

  • 公衆浴場の衛生面が悪かったこと
  • 自宅に戻るまでに湯冷めしやすいこと

…これら 2 つの問題点から、入浴を控えるのが基本でした。 しかし近年では各家庭に浴室があるため、体調を崩したときでも入浴を制限しない傾向にあります。

とはいえ一概に入浴可能というわけではなく、あくまでも体調次第です。

2-1.入浴を判断する 3 つの基準

入浴を控えたほうが良いのは、お風呂に入ることで体調が悪化する可能性が高い場合です。

入浴はかなりの体力を消耗するため、インフルエンザの症状が強く出ているときには逆効果となりかねません。

そのため、以下のいずれかの項目に当てはまる場合には、入浴を控えましょう。

入浴を判断する 3 つの基準
  • 38 ℃を超える高熱がある
  • 寒気や体のだるさが強い
  • 吐き気や下痢、頭痛がある

また、これらに 1 つも当てはまらない場合でも、「お風呂に入る元気がない」と感じれば無理に入浴しない方が良いです。

2-2.入浴するメリット・デメリット

特に熱があるときは 「お風呂に入らない方が良い 」というイメージを抱いている方も多いでしょう。

実際、入浴には体にとってプラスとなる点、マイナスとなる点、両方があります。

発熱時に入浴するメリット・デメリット

◆ メリット
・皮膚の清潔によってスムーズな発汗を促す
・体を温めることで、自然な解熱効果が期待できる


◆ デメリット
・体力を消耗するため疲れやすい
・湯冷めをすると、症状が悪化するおそれがある

これらをふまえて、今の体調や現れている症状から「入浴しても良いか」を見分けるのが良いでしょう。

次は、入浴時の注意点をご紹介します。

3.入浴時の注意点

入浴できる状態であっても、普段と同じ入浴法ではかえって症状を悪化させるおそれがあります。

また家族間で同じ浴室を利用する場合には、感染を拡大させないための注意が必要です。そのため、ここからはお風呂に入る際に気をつけるべきポイントをご紹介します。

3-1.症状を悪化させないための入浴法

インフルエンザ時に入浴する場合、

  • 体力の消耗を最小限に抑える
  • 湯冷めを防ぐ

…の 2 つのポイントが重要です。

◆ 体力の消耗を最小限に抑える 3 つのポイント


① お湯の温度は普段よりも少しぬるめにする
…熱い湯は体への負担が大きいため、普段より少しぬるめの湯温にすると良いでしょう。
※ 熱があるときに体のほてりを冷ますための入浴であれば、37~38 ℃程度に設定する。

② 短時間で済ませる
…入浴時間が長引くと体が疲れやすいため、体が温まった時点でお風呂から出るようにしてください。

③ 入浴後は水分をたっぷり摂る
…発汗によって大量の水分とミネラルを失うため、経口補水液やスポーツドリンクなどで補給する必要があります。

◆ 湯冷めを防ぐ 4 つのポイント


④ 脱衣所と部屋は暖めておく
…寒暖差があると体の負担となりやすいため、入浴前に予め部屋の暖房を入れておくのが良いでしょう。

⑤ 濡れている部分がないよう体をしっかり拭く
…皮膚表面に水滴が残ると体温が奪われやすいため、厚手のバスタオルを用いて全身を念入りに拭いてください。

⑥ 髪の毛をよく乾かす
…濡れたままの髪の毛では、体を冷やすだけでなく枕の衛生面にも良くないため、水気がなくなるまで乾かす必要があります。

⑦ 入浴後はすぐに布団に入り安静にする
…お風呂から上がった後は自然な眠りを誘う作用があるため、体が冷えないうちに横になるよう心がけてください。

インフルエンザ,風呂  無理に洗髪する必要はない

お風呂の中で髪を洗うのが面倒であれば、無理にシャンプーをする必要はない。その場合は、体を軽く洗い流すだけで済ませて OK。

3-2.家族にうつさないための注意点

インフルエンザウイルスは高温多湿な環境に弱いため、風呂場で感染する可能性は低いといえます

ただし浴室は共有する物が多いので、物にウイルスを付着させないようにしてください。

家族感染を防ぐために、

  • 感染者は最後に入浴する
  • 体を洗うタオルとバスタオルは共用しない
  • 他者が触れる物(風呂桶、シャンプーボトル、ドアノブなど)は最後に湯で流すか除菌シートで拭き取る

…これらの点に注意してください。

また、感染者の入浴後は空気中にウイルスが漂っているおそれがあります。浴室と脱衣所は、しっかりと換気しましょう。

インフルエンザ,風呂  感染した子どもと一緒のお風呂は大丈夫?

物理的に距離が近いため一緒に入浴すれば感染の可能性はある。そのためお風呂は短時間で済ませ、子どもを洗った後に自分の体を洗う、などの工夫をすること。

4.お風呂に入らずに体をきれいに保つ方法

お風呂に入るのはしんどいけれど、

「汗をかいて気持ちが悪い」
「さっぱりしたい」

…と感じる方も多いと思います。

そういったときには、以下の方法がおすすめです。

お風呂に入らず、清潔を保つ方法

◆ 体を拭く
…ボティシート、またはお湯で濡らしたタオルを使い、汗や皮脂を拭き取る

◆ ドライシャンプー
…水のいらないシャンプー、またはベビーパウダーを使い、頭皮をマッサージする

ただし、最後は必ず乾いたタオルで水分を拭きとり、体を冷やさないように気をつけてください。

5.まとめ

インフルエンザであっても、

  • 38 ℃を超える高熱がある
  • 寒気や体のだるさが強い
  • 吐き気や下痢、頭痛がある

…に当てはまらなければ、入浴しても良いでしょう。

入浴する際は以下の方法で、症状の悪化を防ぎましょう。

症状の悪化を防ぐ入浴方法
  1. お湯の温度は普段よりも少しぬるめにする
  2. 短時間で済ませる
  3. 入浴後は水分をたっぷり摂る
  4. 脱衣所と部屋は暖めておく
  5. 濡れている部分がないよう体をしっかり拭く
  6. 髪の毛をよく乾かす
  7. 入浴後はすぐに布団に入り安静にする

体力の消耗を抑え、湯冷めを防ぐことがポイントです。ご紹介した入浴法と注意点をぜひ、早期回復にお役立てください。

◆ 参考文献