社会人がインフルエンザを発症してしまった場合、

「仕事は何日間休んだらいいの?」
「治るまで出勤できないのは困る…」

…などと、どう対応したらよいのか、分からないことも多いですよね。

ここでは、インフルエンザにかかったときの仕事について、

  • 完治するまでの経過
  • 仕事を休むべき日数
  • 早く治すための方法

…といった、いざというときに必要な知識と対策をご紹介します。職場復帰に向けて、ぜひ参考にして下さい。

1.インフルエンザとは

インフルエンザは、インフルエンザウイルスに感染することで発症します。

このウイルスは非常に感染力が強いため、感染者が出ると短期間で周囲に広まりやすいのが特徴です。

まずは、こうしたインフルエンザにかかったときの、

  • 現れる主な症状
  • 感染後の体調の変化

…について、ご説明します。

1-1.流行する時期と主な症状

インフルエンザは、毎年冬から春にかけて流行します。風邪では現れにくい高熱や体の痛みといった、全身に重い症状が出るのが特徴です

インフルエンザの流行時期と症状

◆ 流行時期
…11〜3 月

◆ 感染経路
…感染者の咳やくしゃみによって他者にうつる
…ウイルスの付いた物に触れた手を介してうつる

◆ 主な症状
…38 ℃以上の高熱、寒気、倦怠感、体の痛み
…喉の痛み、鼻水、咳
…腹痛、下痢、吐き気、嘔吐

もう一つ風邪と違う点は、鼻水や咳が徐々に出始めるのではなく、突然の発熱や体の痛みなどで急に体調が悪化することです。

1-2.感染から回復までの経過

ここからは、インフルエンザを発症してから回復するまでの経過を、

  • 症状の始まり
  • 受診と自宅療養
  • 症状からの回復

…の 3 つの流れに分けてご説明します。

一般的な目安として、職場復帰までの流れをイメージしてみてください。

① 症状の始まり

インフルエンザでは何の前触れもなく、急に体調が悪くなります。最初に感じやすいのは、

「熱っぽい」
「暖かい部屋にいるのに寒い」
「動くのもつらいほど体がダルい」
「体のふしぶしが痛む」

…といった症状です。

特に体の痛みは、少し体調を崩しただけでは現れにくいもの。インフルエンザと判断できる一つの目安になります。

② 受診と自宅療養

病院では、症状などからインフルエンザが疑われると、感染の有無を調べる検査が行われます。

この検査で陽性(感染している)の結果が出ると、タミフルやイナビルといった抗インフルエンザ薬が処方されます。

抗インフルエンザ薬を服用すると、回復までの期間を 1~2 日短縮する効果が期待できます。まだ受診していない方は、早めに病院に行くことをおすすめします。

③ 症状からの回復

インフルエンザでは、

  • 症状が出てから解熱まで… 3~5 日間
  • 解熱してから治るまで… 3~5 日間

…といった経過を要します。

注意したいのは、熱が下がったからといって『治った』とは簡単に判断できないという点です。まだ体内にウイルスが残っているため、他者にうつすおそれがあり、解熱後も数日間は、ほかの症状が落ち着くまで安静に過ごす必要があります。

2.休むべき日数と職場復帰に向けて

インフルエンザは感染症です。いくら忙しいからといって、無理に出勤すると周囲にウイルスを撒き散らすことになり、かえって会社の不利益となりかねません。

そのため、感染力がなくなるまで自宅療養するのがインフルエンザのマナーです

2-1.仕事を休むべき日数

社会人の場合、自宅療養期間が決まっておらず、医師の指示や会社の判断に準ずるケースが多いようです。

自宅療養の一つの目安は、子どもの出席停止期間である、

  • 解熱から 2 日間
  • 発症から 5 日間

です。両方が経過するまでは感染力があるため、出勤は控えたほうが良いでしょう。病院でも、この期間を基準にしているところが多いようです。

インフルエンザ,出勤  法律では定められていない

インフルエンザ感染による、会社への出勤停止期間は法律で定められていない。一部の企業では集団感染を防ぐために、出勤停止期間を定めているところもあるが、 一般的にはまだまだ普及していないのが現実。

2-2.診断書について

診断書とは、診察した医師がインフルエンザと診断したことを証明するものです。「罹患(りかん)証明書」と言われることもあり、会社によっては提出を求められる場合もあります。

受診後に提出が必要だと分かった場合、後日発行も可能です。受診した病院に問い合わせて、発行してもらいましょう。ただし受診した病院以外では発行することができません。

発行にかかる費用はだいたい 3,000 ~ 5,000 円ほどです。

インフルエンザ,出勤  他に提出が求められやすい書類

◆ 受診/通院/治療 証明書
…感染の有無にかかわらず、受診したことを証明するもの。発行費はおよそ 1,000 円未満。領収書で代用可能な場合もある。

◆ 治癒証明書
…インフルエンザが完治したことを証明するもの。ただ治癒の証明は非常に困難なため、発行を断られる場合も多い。その場合は医師が指示する「療養期間」を治癒の目安として会社に伝えるなど対応を。

2‐3.有給休暇について

インフルエンザでの病欠は通常の休暇と同じ扱いである場合が多く、有給制度があれば使って休むのが一般的。ただ事前の申請が難しいので、事後申請が許可される場合が多いようです。

また、会社によっては忌引きなどと同じ扱いで、有給休暇の残日数から引かれない場合もあります。それぞれの会社の就業規則によって異なるため、事前に確認しておくと良いでしょう。

ただし、

  • 研修期間で有給がない
  • 有給が残っていない
  • 会社の健康保険に加入していない

…場合は、無給欠勤の扱いとなるケースもあります。

また有給日数がなくても、会社の健康保険に 1 年以上加入している場合は、欠勤中の手当として「傷病手当金」が支給されるケースもあります。詳しくは加入先の健康保険組合に問い合わせてみてください。

3.日常生活に向けて

ここからは、療養中の過ごし方や会社復帰後の注意点をご紹介します。

3-1.早く治すためのポイント

回復を早めて万全の状態で職場復帰するためには、

  • 水分と栄養を正しく摂る
  • 安静に過ごす

…といった 2 つが重要です。

◆ 水分と栄養を正しく摂る

発熱時には非常に多くの水分が失われ、体内のミネラルバランスが崩れがち。さらに多くのエネルギーを消費します。

ですが、特に食欲がなければ無理に栄養を摂ろうとせず、消化に良いものを選んで食べるようにしましょう。

水分と栄養の正しい摂り方

・水分補給
…経口補水液やスポーツドリンクをこまめに飲む
…オーエスワン(大塚製薬)、アクアサポート(明治)、ポカリスエット(大塚製薬)、アクエリアス(コカ・コーラ)

・栄養摂取
…お粥やうどんなど、消化に良いものを選ぶ
…たまねぎ、ねぎ、にんにく、梅干しなど回復に働く食材を加える

回復に効くおすすめ食材やメニューは、「インフルエンザの回復に効く食べ物10選|症状別レシピとNG食材」の記事で詳しくご紹介しいています。

◆ 安静に過ごす

インフルエンザに限らずどんな病気であっても、「睡眠に勝る回復法はない」といっても過言ではありません。それだけに十分な療養期間を設けて、ゆっくりと眠ることが大切です。

睡眠と安静のポイント

・睡眠のポイント
…睡眠時間は 7 時間以上を目安に
…夜更かしせず 0 時までには寝る

・安静のポイント
…仕事のことは考えず療養に集中する
…できるだけ横になって過ごす

回復してくると、「家で仕事を…」と考える方もいるかもしれません。ですが症状が落ち着いても体はいつも以上に疲労しています。

焦って動くと症状がぶりかえすことも。療養期間中はゆっくり休むことが仕事だと考え、安静に過ごしましょう。

3-2.復帰後のマナー

療養期間をしっかりと守れば他者に感染する可能性は低いですが、復帰直後は周囲も感染に対して敏感になりがち。

復帰から数日は、以下の感染予防策をとり、周囲に配慮しましょう。

インフルエンザ,出勤  社内感染の予防策

・マスクの着用
…感染者が着用することで飛沫感染を防止する

・咳エチケット
…咳やくしゃみをするときは他者から顔をそむける

・こまめな手洗い
…石けんを使って 15 秒以上かけて洗う

・ゴミの処理
…ティッシュを捨てたゴミ袋を密封する

・アルコール消毒
…ドアノブや電話機などをウエットティッシュで拭く

特に、咳やくしゃみがまだ出ている場合は、症状が治まるまで必ずマスクを着用しましょう。

4.まとめ

社会人がインフルエンザで会社を休む場合の対応をまとめました。

◆ 発症から回復までの経過
・発症から解熱まで… 3~5 日間
・解熱から回復まで… 3~5 日間


◆ 自宅療養の目安
「解熱から 2 日かつ発症から 5 日」が経過するまで


◆ 休暇申請
・有給休暇があれば消化して休むのが一般的
・会社によっては特別休暇や無給欠勤の扱いになる場合もある
・会社によっては診断書の提出が必要な場合もある

インフルエンザは風邪に比べて長期の休暇が必要です。そのため、休むことに対して負い目を感じる方もいるかもしれません。

ただし周囲へ感染を広げないためにも、休むのがマナーです。今は休むのが仕事だと考え、しっかりと治すことに専念してください。

◆ 参考文献