「この体の痛み…インフルエンザ?」
「体のふしぶしが痛くて眠れない」

…など、高熱が出ることで有名なインフルエンザなのに、体の痛みが出て驚いている方も多いのではないでしょうか。

実はこうした関節や筋肉の痛みも、インフルエンザの代表的な症状の一つです。

ここでは、

  • インフルエンザで関節痛や筋肉痛が起こる理由
  • その痛みを和らげる対処法

…について説明します。

運動後に起こる筋肉痛などとは対処法が異なる部分があります。正しいケアを知って、痛みを和らげるのに役立ててください。

1.インフルエンザで起こる関節痛・筋肉痛

まずはインフルエンザの特徴や、インフルエンザで関節痛や筋肉痛が起こる理由をご説明します。

1-1.インフルエンザの特徴

毎年、11~3 月にかけて流行するインフルエンザ。インフルエンザウイルスが原因となる感染症で、風邪よりもつらい症状が現れるのが特徴です。

主な症状は、38 ℃以上の発熱や寒気、咳、喉の痛みなど。

これらに加えて、

  • 運動後のような筋肉の張りや痛み
  • 体のふしぶしの痛み

…といった、関節痛や筋肉痛も代表的な症状の一つです

インフルエンザの特徴をまとめておきます。

インフルエンザの特徴
  • 前触れなく急に体調が悪くなる
  • 運動したり体をぶつけたりしていないのに体が痛む
  • 発熱や寒気、体のダルさといった全身的な症状が強い
  • 喉の痛みや咳のみが最初に現れることは少なく、全身症状を伴う

まだ診断を受けていない方は、これらの特徴を参考にしてみてください。もし感染の可能性があれば、遅くても 2 日以内に医療機関を受診しましょう。

インフルエンザの主な症状については「インフルエンザを症状から判断する方法と今すぐできるセルフケア3選」の記事で詳しくご紹介しています。こちらもぜひ、ご一読ください。

1-2.痛みの要因と痛みが続く期間

インフルエンザで関節痛や筋肉痛といった体の痛みが出るのは、ウイルスを抑制するための免疫反応と共に分泌される、プロスタグランジンという刺激物質が要因です

プロスタグランジンが分泌されると、その場所が腫れたり熱をもったりして炎症を起こすことで、痛みが生じるとされています。

痛みが現れやすいのは太ももの付け根ひじなどのリンパ節がある場所。

インフルエンザ,関節痛  関節や筋肉に異常はない

運動後に起こる筋肉痛の主な要因は、運動によって筋肉をつくる細胞に傷がつくからだと考えられている。そのため、インフルエンザ時の筋肉痛とは対処が異なる。

またプロスタグランジンには、体温を上げる働きもあります。インフルエンザで熱が出るのも実はこの理由から。そのため、体の痛みは発熱に伴って現れ、熱が下がれば治まることが多いです

インフルエンザの発熱期間は 3~5 日間なので、目安にしてみてください。

インフルエンザの発熱については、「インフルエンザでも熱が出ない理由と感染を疑う3つのポイント」で詳しくご紹介しています。

2.痛みを和らげる対処法

ここからは、インフルエンザの関節痛や筋肉痛を和らげる対処法をご紹介します。

ただし前提として、インフルエンザ時の体の痛みは体がウイルスと闘っている証です。そのため、痛みを抑え込みすぎるとかえって治りが悪くなることも

ご紹介する方法は、あくまでも一時的なケアとしておすすめします。

2-1.痛みに直接働きかけてケアする

まずは、関節や筋肉の痛みに直接働きかける、

  • 痛む場所を冷やす
  • 鎮痛薬を飲む

…といった方法をご紹介します。

これらは比較的、すぐに効き目を感じられる方法です。

「痛みのせいでゆっくり眠れない」
「体が痛くて横になっているのもつらい」

…といったときに、試してみてください。

◆ 痛む場所を冷やす

インフルエンザ時の関節痛や筋肉痛のような炎症による痛みには、痛む部分を冷やすのが効果的です。

  • タオルに包んだ氷枕を痛む部分に当てる
  • 市販の冷却シートを痛む部分に貼る

…といった方法で冷やしてください。冷やす時間は、

「少しひんやりしてきた」
「痛みが治まってきた気がする」

…などと感じる程度を目安にしましょう。冷やしすぎると体の免疫機能を弱めてしまうので、気を付けてください。

◆ 鎮痛薬を飲む

痛みを鎮める働きのある『鎮痛薬』を利用するのも、対処法の一つです。

ただし市販薬にも含まれる一部の解熱鎮痛成分は、インフルエンザのときに使うと合併症などに関係するおそれがあり、服用できないものがあります

インフルエンザ時でも飲める代表的な市販薬は、次の商品です。

インフルエンザでも使える薬

・15 歳未満
…小児用バファリンCⅡ(ライオン)
…バファリンルナJ(ライオン)

・15 歳以上
…タイレノール A(ジョンソン・エンド・ジョンソン)
…ラックル速溶錠(日本臓器製薬)

インフルエンザで飲む解熱剤については、「インフルエンザの解熱剤|間違いない選び方とOK&NGな市販薬一覧」の記事でもご紹介しています。こちらもぜひ、参考にしてみてください。

2-2.痛みに間接的に働きかけてケアする

先にご紹介した方法に比べて即効性は期待できませんが、体の痛みを強くさせないために有効な方法をご紹介します。

痛みが強くなるのを防ぐ対処法

・十分な睡眠をとる
…体力の消耗を防ぐことができる
…7 時間を目安に

・全身を温める
…免疫力の維持に役立つ
…肌着や毛布を増やす

・消炎や鎮痛に働く食材を摂る
…生姜、さくらんぼ
…生姜は生でも加熱しても OK

・こまめに水分を補給する
…水分不足で血流が悪くなると筋肉が緊張しやすい
…発熱時に適した経口補水液やスポーツドリンクが良い

インフルエンザの関節痛や筋肉痛は発熱と共に数日間、続きます。これらの方法は、その間の長期的な対策としてください。

3.痛みが続く期間と再受診の目安

インフルエンザの関節痛や筋肉痛は、発熱に伴って現れやすいです。

そのため、発熱期間の目安である 3~5 日間を、体の痛みが続く目安と考えてください

再度、病院で診察を受けたほうが良いのは、

  • 熱が下がっても体の痛みが治まらない
  • 体の痛みがあり、なかなか熱も下がらない

…といった状態です。

このようなケースではインフルエンザが重症化している可能性があるため、早めに医療機関を受診してください。

4.予防接種後の筋肉痛について

インフルエンザの予防接種は、ワクチンを腕に注射することで、ウイルスに対抗する仕組みがつくられます。

ただしこの仕組みができる過程で接種部位に炎症が起こり、痛みを感じる場合があります

こうした痛みは接種を受けた方の 10~20 %に現れますが、通常「 2~3 日」で症状が治まります。

対処法としては、冷たいタオルや保冷剤を使うのが効果的。痛む部分に当てて、少しひんやりする程度に冷やしてください。

5.まとめ

インフルエンザの代表的な症状の一つである、関節痛と筋肉痛についてまとめました。

痛みの要因

ウイルスに対抗する免疫反応と共に分泌される刺激物質

対処法
  • 痛む場所を氷枕や冷却シートで冷やす
  • 鎮痛薬を飲む
  • 十分な睡眠をとる
  • 全身を温める
  • 痛みを鎮めるのに働く食材を摂る
  • こまめに水分を補給する 
 
痛みが続く期間

…熱が下がれば治まる場合が多い
…発熱期間は 3~5 日が目安

体が痛くても、決して関節や筋肉自体に問題があるわけではないので、安心してください。

ご紹介した方法で痛みをケアして、早くインフルエンザを治しましょう。

◆ 参考文献

  • 田村浩一:よくわかる病理学の基本としくみ〈図解入門 メディカルサイエンスシリーズ〉,秀和システム,2011.
  • 河合直樹編著:よくわかるインフルエンザのすべて,医薬ジャーナル社,2013.
  • 宮川俊平:筋肉痛はなぜ起こる?〈特集 なぜ起こる?筋肉痛〉,セルフドクター,19(1),ジャパンライフデザインシステムズ,2015.
  • 第一三共ヘルスケアHP「筋肉痛の対策〈くすりと健康の情報局〉」