お子さんがお腹を痛がっているとき、

「病院に連れていくべき?」
「薬を飲ませてもいいの?」

…など、どう対応すべきか迷いますよね。子どもは症状を言葉でうまく説明できないため、大人が判断してあげることが重要です。

ここでは、乳幼時期から小学生までのお子さんを対象に、

  • 子どもの腹痛の原因
  • 考えられる原因別の症状

…を中心に、腹痛について詳しくご説明します。

大切なお子さんの症状を判断するのに役立つ情報を集めましたので、 ぜひ参考にしてください。

1.子どもの腹痛

腹痛は、子どもによくある不調の一つです。ただし注意したいのは、子どもは痛みをうまく言い表せないことがある、ということ。

大人であれば痛む箇所や痛みの感じ方をある程度、正確に表現できますが、子どもには少し難しいかもしれません。

そのため子どもは、動作やしぐさで伝えようとします。普段のお子さんの様子と比べながらよく観察して、「いつもと違う…」と感じとることが重要です。

お腹が痛いときの動作やしぐさ
  • しゃがみこむ
  • 大人にべたべたする
  • 機嫌が悪い
  • ご飯を食べない
  • 泣き出す
  • 呼吸が荒くなる

このような行動をとっていたら、お子さんに体の状態を聞きながら、症状を観察してみてください。

2.子どもの腹痛の 4 つの原因

ここからは、子どもの腹痛で考えられる主な原因と症状をご紹介します。

セルフケアで様子を見て構わないこともありますが、なかにはすぐに医師が診るべきケースも。少しでも不安に感じるときは、医療機関の受診をおすすめします。

2-1.便秘

子どもの腹痛で最も多い原因が「便秘」です。腸の働きが悪く、便が溜まることで痛みが生じます。

便秘になりやすいのは、

  • 粉ミルクを与えたとき
  • 離乳食を始めたとき
  • トイレトレーニングを始めたとき
  • 保育園や学校に通い始めたとき

…です。

便秘が原因の場合、次のような症状が現れます。

便秘のときに現れる症状
  • 5 日以上排便がない
  • 1 週間の排便回数が 2 回以下
  • 腹部を押すとお腹が張っている
  • 排便のときに痛がっている
  • 小さくコロコロした便が出る

お子さんが便を出し切れているか確認し、最後に出たのはいつかを把握するようにしてみてください。

便秘が考えられるお子さんには…、

まずは市販の浣腸(イチジク浣腸[イチジク製薬])や、生活の見直しなどで対処してみてください。

それで改善しない場合や、日常生活への影響が大きい場合は、病院で診察を受けることをおすすめします。

子ども,腹痛  整腸薬もおすすめ

お腹の調子を自然な作用で整える整腸薬は、赤ちゃんや子どもでも飲める安全な市販薬の一つ。次の薬は、生後 3 か月から服用できる。

  • ヤクルト BL 整腸薬(ヤクルト)
  • 新ビオフェルミン S 細粒(ビオフェルミン製薬)

2-2.感染性胃腸炎

便秘の次に多いのが、ウイルスや細菌などによる「感染性胃腸炎」の症状として現れる腹痛

子どもに多い感染性胃腸炎は、

  • ウイルスによるもの
     …ノロウイルス、ロタウイルス、アデノウイルスなど
  • 細菌によるもの
     …腸炎ビブリオ、カンピロバクター、ボツリヌス菌など

…といった病原体です。ウイルスは感染者から、細菌は食品からの感染が多いとされています。

感染性胃腸炎のときに現れる症状
  • 吐き気やおう吐
  • 下痢
  • 発熱
  • だるそうにして元気がない
  • 保育園や学校で感染症が流行している

感染性胃腸炎が考えられるお子さんには…、

下痢止めや吐き気止めを使うなど勝手な判断はせず、すぐに医療機関を受診してください

また下痢やおう吐がひどい場合は脱水になりやすいため、こまめに水分を摂らせてあげましょう。  

2-3.虫垂炎

大腸の端にある虫垂に、化膿が起こった状態をいいます。

一般的に「盲腸」としてよく知られている病気で、2〜3 歳から小・中学生に多いのが特徴です。  

虫垂炎のときに現れる症状

【最初に現れる異変】
・おへそやみぞおちの辺りに痛みを訴える
・機嫌が悪くなる、ぐずる
・食欲がなくなる
・おう吐する

【しだいに現れる異変】
・前かがみになり、右腹部を痛がる
・発熱する
・お腹を触るだけで痛がる
・痛みが強くなる

虫垂炎が考えられるお子さんには…、

初期の段階での判断は難しいと思いますが、放っておくと重症化することも。

異変を感じたら救急診療を利用してでもすぐに病院に行くことをおすすめします。

2-4.反復性腹痛

腹痛には、体に異常がないケースもあります。それが不安や緊張など心因性の原因から起こる腹痛で、「反復性腹痛」といいます。

小学生に多く、本人からも「なんとなくお腹が痛い」といったあいまいな訴えで表現されやすいようです。

反復性腹痛のときに現れる症状
  • 3 か月間に 3 回以上、日常生活を妨げるほどの痛みが起こる
  • おへその周りを痛がる
  • 保育園や学校に行く前に急な腹痛を訴える
  • 頭痛、吐き気、顔色不良がみられる
  • 週末や就寝時には痛がらない

反復性腹痛が考えられるお子さんには…、

処方薬などで治療ができる場合もあります。

症状がひどい、日常生活への影響が大きいといった場合には、一度小児科で相談することをおすすめします

3.病院を受診する際の注意点

お子さんの腹痛で病院に行く際、確認しておく事項や必要な物をご紹介します。

受診する際は、小児科へ。子どもの不調をより専門的に診てもらうことができます。

特に腹痛は、ご紹介した以外にも原因が多岐に渡るもの。診断に必要な情報を的確に伝えるようにしてください。

医師に伝えるべきこと
  • 痛みが続く時間
  • 痛みの現れ方(急に / 徐々に)
  • 痛みが現れる時間帯
  • 日常生活への影響(できなくなること)
  • 便の色や形(直近の排便時)
  • おう吐や発熱の有無

持ち物
  • 診察券
  • 健康保険証
  • 母子健康手帳
  • お薬手帳
  • 着替え、オムツ

4.腹痛を防ぐ生活習慣

特に便秘や下痢など腸の働きが影響する腹痛や、ストレスからくる腹痛に対しては、生活習慣を改善することで予防が期待できます

日々の生活のなかでできる腹痛予防を4つ、ご紹介します。

腹痛を防ぐ生活習慣
  • バランスの良い食事
    …1 日 3 食きちんと摂り、おやつは時間を決めるなど食べすぎに注意する
     
  • 体を動かす
    …便秘予防に加えて子どものストレス解消にもなる
     
  • 子どもと過ごす時間を意識的につくる
    …よく話を聞いてあげたり、一緒に触れ合う時間を多くする
     
  • 十分な睡眠をとる
    …成長に必要なホルモン分泌に関わるため、21 時頃には寝かせる

5.まとめ

子どもの腹痛で観察すべき様子と、考えられる原因について、まとめました。

腹痛があるときの子どもの動作・しぐさ
  • しゃがみこむ
  • 大人にべたべたする
  • 機嫌が悪い
  • ご飯を食べない
  • 泣き出す
  • 呼吸が荒くなる

子どもの腹痛で多い原因
  • 便秘
  • 感染性胃腸炎
  • 虫垂炎
  • 反復性腹痛

「普段と違って様子がおかしいな…」と感じたら、自己判断だけに頼らず小児科で診察を受けることをおすすめします。

また、普段からできる体調管理として、お子さんの食事や睡眠、ストレス解消などにも気を配ってあげることが重要です。

◆ 参考文献